煎茶専門店「煎茶堂東京」銀座店にて。左より、LUCY ALTER DESIGN代表取締役の青栁智士さん、博報堂ブランド・イノベーションデザイン松田有加、LUCY ALTER DESIGN取締役の谷本幹人さん。

「ブランドたまご」とは、生まれて間もない、まさにこれから大きく羽ばたこうとしている商品ブランドのこと。中でも、伝統を活かしながら革新を起こしている魅力あふれるブランドに注目し、その担い手に博報堂ブランド・イノベーションデザインのメンバーが話をうかがう連載対談企画です。
第39回に登場するのは、銀座に煎茶専門店「煎茶堂東京」を立ち上げた、IT業界から独立した2人のデザイナー。LUCY ALTER DESIGN(ルーシーオルタ―デザイン)の青栁智士さんと谷本幹人さんです。お茶には縁もゆかりも無かった二人が、世界のマーケットを狙える商材として「煎茶」に確信を持つ理由とは。そして、新しい煎茶が体験できる店舗デザインとは…。コーヒーよりお茶が好きな、博報堂ブランド・イノベーションデザインの松田有加が取材しました。

成長より質を問いたい。IT企業の役員から独立した理由。

「煎茶堂東京」は、シングルオリジン(単一品種・単一農園)の煎茶を購入することができる物販専門の店舗ブランドです。このブランドは、青栁智士さんと谷本幹人さんの2人のデザイナーによるデザインユニットLUCY ALTER DESIGNが手掛けています。LUCY ALTER DESIGNは、世界初のハンドドリップで日本茶が楽しめるカフェ「東京茶寮」も運営。従来にはない手法で煎茶の可能性を広げているこのブランドは、ドイツの権威あるデザイン賞Red Dot Design Awardを受賞するなど、世界的に注目を集めています。

銀座五丁目にある、煎茶専門店「煎茶堂東京」銀座店。
店内には、シングルオリジン(単一品種・単一農園)の煎茶が並ぶ。カラフルな缶は、ペンキ缶のディスプレイからヒントを得たそう。商品ごとに味のタイプがレーダーチャートで表現されている。
店内では、自分好みの煎茶を見つけるための飲み比べが可能。

松田:大阪に住んでいる私の友達が東京茶寮のことがすごく好きで、わざわざ三軒茶屋のお店まで飲みにきているんです。その友達に付き合って私も先日、東京茶寮に行かせていただきました。

谷本:ありがとうございます。うれしいですね。

松田:飲食中心の東京茶寮と、物販中心の煎茶堂東京、どちらもLUCY ALTER DESIGNのお2人が手がけられたと聞きました。本日は、ここ煎茶堂東京ブランドを中心にお話をお聞きします。簡単に、お2人のバックグラウンドについて教えてもらえますか。

青栁:はい。私たちは、デザイン会社として2人で独立する以前は、あるIT企業に勤めていました。私は美大を出てデザイナーとして入社したのですが、会社が上場するなど急成長して、最後は人事や新規事業を担当する役員を務めていました。その仕事も楽しかったのですが、同時に資本主義の限界というか、成長率ではなく質を問う、新しいデザイン会社を作りたいという思いがありました。そんな時に、インターンで来ていた学生時代の谷本に出会ったんです。

左より、LUCY ALTER DESIGN代表取締役の青栁智士さん、LUCY ALTER DESIGN取締役の谷本幹人さん。

松田:どんな印象だったんですか。

青栁:彼は美大卒のデザイナーではなかったのですが、作るパワーポイント1枚からもセンスを感じるし、他の学生に比べても抜きん出ていました。一緒に仕事をして、ものづくりに対する考え方が似ていることも分かりました。初めて一緒にやりたいと思った人だったので、タイミングを見て、渋谷の居酒屋で飲みながら誘いました(笑)。

松田:そうだったんですね。2人で独立後、すぐに煎茶のお店を作ったわけではないですよね。

青栁:はい。まず、どのようなデザイン会社になりたいかと考えた時に、クライアントの課題を解決するだけではなく、自分達で商品も作り、経営もして、実績を持とうと考えました。そこでまず、何を扱うかを考える前に、これからの消費がどう変わっていくかを考えたんです。

松田:これからの消費、ですか。

青栁:世の中は、モノであふれています。だから、何を買うかよりも、どう買うか――買い方の価値の方が重要になってくると考えました。社名の「LUCY ALTER DESIGN(ルーシーオルターデザイン)」は、人類の祖先といわれているホモ・サピエンスの「ルーシー」と、変化させるという意味の「オルター」からきているのですが、もう1つヒミツがあって、逆から読むと「タルオシル」、つまり「足るを知る」になるんです。

松田:あ、本当ですね。「足るを知る」になりますね!

博報堂ブランド・イノベーションデザインの松田有加

青栁:私と谷本の2人とも好きな言葉です。

谷本:そのようなコンセプトで、現代の消費のあり方を問いながら、新しい機能を持った商品を世の中に出していきました。例えば、リフィル用のティッシュボックスを作ったり、段ボールの1人映画館を作ってみたり…。

左:詰め替えできるティッシュボックス「SHIKAKU」。第6回DESIGN TOKYO大賞 優秀賞を受賞。 右:スマホとダンボールで映画を1人で鑑賞する「SOLO THEATER(ソロ・シアター)」クラウドファンディングを実施し、目標金額の600%の調達を達成。

松田:クラウドファンディングで目標金額の600%を集めたり、DESIGN TOKYO大賞など受賞もされてますね。

谷本:IT企業だったのでものづくりの知見は無かったのですが、全く知らない工場にテレアポしたり、3Dプリンタでプロトタイプを作ったり、試行錯誤を繰り返しました。そこでの経験値が今に生きています。

青栁:今は個人でもものづくりができるし、資金もクラウドファンディングで集められるし、仮説検証がしやすい時代ですよね。濃密な戦略を立てるよりも、まずはやってみよう。独立以来、ずっと走りながら作ってきたという感覚です。

カギは細分化。煎茶がグローバルでヒットする理由とは

松田:そんなお2人が、煎茶に注目をしたきっかけはなんだったのでしょうか。

谷本:煎茶って、嗜好品として世界的にポテンシャルが高いんです。煎茶に含まれるカフェインは世界的に需要があるし、お茶文化の市場も広がっている。その一方で、煎茶はこれまで大きなイノベーションが生まれていない業界だったので、デザインというアプローチから切り込むことに、すごく可能性があると思ったんです。

松田:グローバルという視点があったんですね。素朴な疑問なのですが、今すごく抹茶がブームですよね。先日もイギリスに行ったら、商品もお店もたくさんあって。煎茶より抹茶の方がグローバルに出やすい気がするのですが。

青栁:抹茶ブームは、私たちにとってすごく追い風ですね。抹茶は使いやすい商材で、お菓子にも入っているし、牛乳や砂糖を使った甘いものも多い。一方で、煎茶はリーフなので、加工しにくいのも事実です。ただ、抹茶はたしかにブームですが、日本人はそんなに抹茶飲んでないですよね(笑)。抹茶の次は、日本人が日常的に飲んでいる煎茶、に興味が集まると考えています。

松田:なるほど、抹茶の次にくるのは煎茶だと考えているんですね。

青栁:同じ嗜好品飲料のコーヒーや紅茶は、産地や加工の違いなどが知られていて、楽しまれています。ワインもそうですよね。それなのに、煎茶の産地や加工の違いは知られていない。理屈的には、海外の人が煎茶にも産地や加工の違いを知れば、喜んで消費する可能性があるはずです。また、世界的に健康意識が高まっているのも追い風です。

松田:そういう背景だったんですね。私は、どちらかのご実家がお茶屋さんとかなのかな、と思っていました。

谷本:よく、そう言われるんですよね。でも実際は何も縁はないんです。

松田:そんなお2人がまず作ったのが、東京茶寮という喫茶ブランドですよね。

谷本:はい。ある日、今のように、ある後輩に煎茶の可能性についてポロっと話したんですよね。そうしたら、彼が「僕、お茶の問屋さん知ってますよ」と紹介してくれたんです。

青栁:あの後輩、ファインプレーだったよね(笑)。

谷本:その問屋の方が、ちょうど同世代の若手経営者だったこともあって、私たちが全く知らなかった生産者や流通の仕組みなどを教えてくれました。それが、2016年の2月頃です。

青栁:そこから、2016年の年末に三軒茶屋の物件を「ここだ!」と即決し、2017年1月にはオープンしました。

ハンドドリップで日本茶が楽しめる「東京茶寮」

松田:すごいスピードですね。「東京茶寮」はどのようなお店ですか?

青栁:シングルオリジン、つまり単一の産地の煎茶が飲める、ハンドドリップで一杯ずつ丁寧に淹れるお店です。「世界初のハンドドリップ日本茶専門店」と名乗っています。コンセプトは、煎茶にかかわる時間やプロセス自体を楽しむこと。あえて、三軒茶屋の駅から少し歩く場所にしたのですが、国道246号(玉川通り)から世田谷観音通り(明薬通り)を歩く間も煎茶の事を考えてしまう、そんな時間を過ごしてほしいなと願っています。

松田:新しい試みだったと思うのですが、手応えはいかがでしたか?

谷本:私たちも、「ドリップで淹れるお茶」がどこまで受け入れられるのか不安なところもありました。でも、初日の行列をみた瞬間に、ほっとしましたね。初日から1ヶ月ぐらいは常にお店からお客さんが溢れていました。リピーターも多くて。

青栁:アメリカの「フォーブス」に取材していただいたり、ブルーボトルコーヒーの創始者の方にも来てもらったよね。

谷本:「おいしい」って言って、お茶買って帰りましたね(笑)。

松田:本当ですか。それはすごいですね(笑)。

青栁:オープンしてしばらくは、自分達でお店に立って、皿洗いもしていました。IT企業で働いていたからこそ、お店でのリアルな反応は本当に嬉しかったですね。一方で、飲食店は1日に対応できる人数にも、1人当たりの単価にも、ある程度の限界があります。スケールすることを考えて、次に作ったのが物販のためのお店、「煎茶堂東京」です。

松田:煎茶堂東京は、いつオープンしたのですか?

谷本:2017年11月ですから、東京茶寮のオープンから8ヶ月後です。煎茶堂東京では、その名の通り煎茶のみを取り扱っています。

松田:なるほど。ちなみに、日本茶と煎茶の違いがよくわかっていないのですが、同じですか?

谷本:そうですね、煎茶は江戸時代から庶民に愛されてきた、いわゆる日本茶のことです。厳密には定義もあるのですが、私たちはそこはあまり難しくとらえずに、体験を重視したブランド作りにこだわっています。
煎茶堂東京では、全国の様々な産地の煎茶を飲み比べて、じっくり選ぶことができます。

松田:やはり、こだわりはシングルオリジンなんですね。

青栁:実は、煎茶の消費量って増えているんですよ。ただし、多くの煎茶はペットボトルの緑茶や、スーパーで売られているブレンド用の日本茶に使われています。なので、消費量が増える一方で、煎茶の販売単価は下がっています。また、生産者の方は自分のお茶に自信があるのですが、良いお茶を作ってもシングルオリジンの煎茶には販売先は無く、ほとんどがブレンドされてしまいます。
一方で、先ほどお話ししたように私たちは、嗜好品である煎茶にもコーヒーやワインと同じように、細分化することで高付加価値な商品が愛されるマーケットが生まれると考えていました。

松田:産地が限定されているからこそ高価格で売られるものも多いですよね。

青栁:現状の煎茶のマーケットは選択肢が少ないんですよね。「京都のお茶」など、大きなカテゴリしかなく、どうしても大雑把な選ばれ方をされています。そこに、細分化の視点を持ち込んだのが「煎茶堂東京」というブランドです。産地だけでなく、煎り方や味の特徴を、ビジュアルを中心とした非言語で分かりやすく伝えています。なんなら、ジャケ買いでも構わない。複数の言語を用いてコミュニケーションを構築するのが、細分化時代の真摯な向き合い方だと考えています。

松田:新しい煎茶の選び方ですね。ところで、なぜ店舗は銀座という場所を選んだのですか?

青栁:実は最初、私は銀座の街があまり好きじゃなかったんです。個人的には、少し古くさいイメージもあって…。ただ、銀座の高い坪単価でやっていければ、全国どこでもやれそうだと思い、あえて銀座で挑戦することにしました。

松田:オープン後の手応えはどうでしたか。

青栁:おかげさまで、とてもうまくいっています。オープン後には行列もできましたし、客単価も予想以上に高くて、「やっぱり、銀座ってすごい!」と思いました(笑)。

谷本:せっかくお茶屋さんに来てもらっているので、松田さんも煎茶を体験してみてください。

松田:ありがとうございます。

谷本:今日は福岡・八女(やめ)のやぶきたを淹れますね。まず、一煎目は低温で淹れます。いかがですか。

松田:あ、おいしいです。

谷本:次に、二煎目はお湯の温度を上げますね。そうすると、カフェイン・カテキンが多く抽出されるんです。

松田:そうなんですね。あ、これもおいしいですね。味が変わりますね。

谷本:二煎目は渋みが出やすいのですが、このお茶は二煎目でも甘味と、うま味が強いのが特徴です。では次に三煎目です。今度は、玄米を足して玄米茶にしてみましょう。

松田:玄米茶って、玄米を後から足してもいいんですね。

谷本:はい。本当は、お茶の農家さんは自分のお茶の味に自信を持っているから、最初から玄米を混ぜた玄米茶は作りたくないんですよ。でも、この玄米を後から入れる方法なら、お茶の味も楽しめるし、玄米茶も楽しめる。ちなみに、この玄米もシングルオリジンなんですよ。

松田:これもおいしいです。たった一杯のお茶なのに、色々と語れてすごく楽しいですね。

谷本:そうですね。1杯飲んだだけだと「おいしいですね」で終わってしまいますが、2杯飲んで比較することで、初めて語れるようになります。言語化できるようにするのが店舗での体験だと考えています。

青栁:価格も、三煎まで楽しめると考えるとリーズナブルじゃないですか。たった4グラムで何度も楽しめて、軽いので輸送効率もすごく良い。輸出にも向いているんです。

松田:ブランドの今後の展開は、やはりグローバルへの拡大でしょうか。

青栁:そうですね。香港や台湾、オーストラリアなどで展開を検討しています。昨年からミラノデザインウィークにも出展していますが、とても良い反応です。国内外問わず、視野を広げていきたいですね。

松田:最後に、今後ブランドを展開する上で、自分たちはどういうブランドでありたいと考えていますか。

青栁:どういうブランドでありたいか、ですか。うーん、深い質問ですね。
まず、不易流行、温故知新という言葉の通り、煎茶の持つ本質は変えず、生活様式に合わせて変えるものは変える、ということをしていきたいです。例えば、私たちが開発した透明な急須も、陶器や磁器ではなく、例えばMacの隣にあってもおかしくない急須を作りました。変えるものと変えないもののバランスを保ち続けたいですね。

この日も活躍した透明な急須は、熱くなく、落としても割れない極厚の樹脂でできている。Red Dot Design Award:Product Design 2018を受賞。

松田:急須だけでなく、お店の雰囲気やパッケージも白と黒を基調にしたシンプルなトーンですね。この世界観も変えないものでしょうか。

谷本:今まで、お茶のパッケージで白黒なものはほとんど無かったと思います。緑色が中心で、筆文字のフォントが使われているものが多く、私はどうしてもそれに馴染めませんでした。若い人があれを欲しくて買うのか、というギャップを感じて、彼らの日常性に煎茶を「ガッ」と持ってくるために、洗練された白を基調にしたデザインに刷新しました。僕の中でアバンギャルド(前衛的)なところですね。

青栁:今の谷本の話を聞いていて、私たちのブランドは現代の煎茶デザインに対するカウンターパンチの要素があるのかな、と感じました。

松田:カウンターパンチですか、面白いですね。

青栁:例えば、アンディ・ウォーホルが「アートとは何か」を投げかけたように、私たちも「お茶とは何か」を、見慣れた緑と筆文字を変えることで、投げかけようとしているのかな、と思いました。カウンターパンチがある産業は発展していくと思うんですね。とはいえ、あまり嫌われたくないので、マイルドに角はとりつつ発信していますが(笑)、本質的には現代の煎茶文化に対するカウンターパンチ的なところがあるんだなと気付きました。

松田:あとは、生産者のことを大事にしていますが、生産者の顔写真を大々的に出すようなディスプレイもしていませんね。

谷本:そうですね。誰が作ったかも大事ですが、入れる温度使う器、アミノ酸、カフェイン、カテキンの情報など、サイエンスやテクノロジーをベースにしたほうが、なぜおいしいのか再現性を持って伝えられると考えています。

青栁:私たちがIT企業出身のデザイナーだからかもしれませんが、情緒も大事にしつつサイエンスも包含した、ハイブリッドなブランドを展開していきたいと思います。

松田:今後の展開をとっても期待しています。今日はありがとうございました。

■ご参考■
煎茶堂東京 http://www.senchado.jp/

【撮影協力】桑原雷太

ブラたまEYE ~編集後記~

博報堂ブランド・イノベーションデザインでは、これからのブランドには「志」「属」「形」の3要素が不可欠だと考えています。「志」はその社会的な意義、「形」はその独自の個性、“らしさ”、「属」はそれを応援、支持するコミュニティを指しています。(詳しくはこちらをご覧ください)
今回は「形」の視点で、「煎茶堂東京」から読み取れるこれからのブランド作りのヒントを考えてみたいと思います。

【形】「不易流行」のカウンターパンチ!「煎茶」体験の作り方
知れば知るほど、隅々までびっしりとブランドが設計されている。それが、「煎茶堂東京」を取材して感じた私の印象です。
モノトーンの店舗。カラフルな缶。後から入れる玄米。ブランドを形づくる一つ一つの要素が、従来のお茶業界に一石を投じるような斬新なやり方で行われています。これらは今までの煎茶はブレンドで提供されることが多く、産地ごとの良さが伝えづらかったという着眼点。淹れ方でも変わってしまう味の差異を丁寧に再現し、体験してもらうための店舗。煎茶がそもそも持っている本質的な良さを、今の時代に受け入れられやすいように選択されています。また、それらが実現するのは、気持ちが上がり、人に語りたくなるような「煎茶」体験。「煎茶」そのものは古くから日本にあるものですが、煎茶堂東京は世の中の嗜好性の変化に合わせて、大胆に煎茶をアップデートしています。さらに、生産者にも喜ばれる仕組みを作れている点も、これだけ煎茶堂東京が人々から愛されている理由なのかな、と思いました。
では、どのようにすれば私たちも、煎茶堂東京のようなブランド体験の形を作れるのでしょうか。それは、時代の流れを読み、本質を見極め、生活者の本能的に求めるものは何かを繊細に観察することだ、と教えてくれました。今までもこれからも、「煎茶」のあるべき形を定義するものは歪めず、手に取りやすいように最適化し、差し出している。結果として、それがカウンターパンチだった。これは、彼らの口からも出た松尾芭蕉の「不易流行」の考えそのものです。変えるべきところはダイナミックに変えつつ、本質を守ることで存在し続ける。そんな不易流行の考え方が、ここでは体現されています。
第三者だから、業界にずっといるからという立場に関係なく、「変わることで、存在し続ける」という姿勢はこれからのブランド作りにおいて、ヒントとなるのではないでしょうか?
もっとずっとお話を伺っていたいような、そこにいられるだけで少し素敵な自分になれたような、そんな気持ちにさせられるお二人のデザイナー。彼らの醸し出す雰囲気がそのまま体験になっているブランドなのだなと感じました。
ただただすぎる毎日に少しあたたまる時間が欲しくなったら、丁寧に作られて選ばれた煎茶をふと手に取りたくなってしまうのかもしれません。

>>博報堂ブランド・イノベーションデザインについて詳しくはこちら

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