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ブランドたまご 第38回 / 日本の食文化を、この“手”で伝えたい。東京の調味料を集めた「東京さしすせそ」

2018.08.16
#イノベーション#ブランディング#博報堂ブランド・イノベーションデザイン
「東京さしすせそ」を手掛ける(株)フードリレーションのオフィスにて。右から、フードリレーション栗尾幸二郎社長、博報堂ブランド・イノベーションデザイン 松田有加。
「ブランドたまご」とは、生まれて間もない、まさにこれから大きく羽ばたこうとしている商品ブランドのこと。中でも、伝統を活かしながら革新を起こしている魅力あふれるブランドに注目し、その担い手に博報堂ブランド・イノベーションデザインのメンバーが話をうかがう連載対談企画です。
第38回に登場するのは、東京の老舗5社の調味料をセットにした「東京さしすせそ」を手掛けている、(株)フードリレーションの栗尾幸二郎社長。聞き手は博報堂ブランド・イノベーションデザインの松田有加です。

東京伝統の調味料「さ・し・す・せ・そ」を集めた、 “東京の新しいお土産”

2013年に生まれた「東京さしすせそ」は、東京にある老舗メーカー5社でつくられた砂糖、塩、酢、醤油、ソースを、統一デザインでパッケージ化した調味料セット。料理の味付けの基本である「さ=砂糖」「し=塩」「す=酢」「せ=醤油」「そ=味噌」ですが、こちらは江戸前寿司、天ぷら、佃煮、もんじゃ焼きなど東京の味を支えてきた”さしすせそ”を伝えるため「そ」は味噌ではなくソースを提案しています。“東京の新しいお土産”として贈答品や引き出物として広がりをみせる一方、デザイン面でも世界のデザインコンテストを受賞など、注目を集めています。

松田:今日はよろしくお願いします。はじめに、栗尾さんが「東京さしすせそ」を立ち上げるまでの経緯をお聞かせください。

栗尾:僕は徳島県出身で、実家は和菓子をつくっています。東京に出てからはIT企業やゲーム会社で営業をやっていたのですが、会社員では終わらずに起業したいと思っていました。食に関わる知り合いも多かったですし、生まれたときから「食」が身近にあったので、食をメインにした会社を立ちあげたいなと。会社員時代のラスト1年間は、食品供給会社で経営企画室長を務めていました。フードアナリストと野菜ソムリエの資格も取得して、40歳のときにフードリレーションを立ち上げました。

松田:フードリレーションさんの公式サイトでは「地方に眠る高品質な食品をお届けする」「日本の素晴らしい食品を海外に紹介する」などをミッションとしてあげていますよね。このミッションはどのようにして生まれたのでしょうか?

栗尾:自分が地方出身なので、まずは地方にフォーカスしようと思ったんです。地方では例えば徳島なら阿波踊り、すだちや鳴門金時があったり…文化や伝統を反映したお土産や良い商品が沢山ありますが、東京では無名。地方にある良い商品の魅力をわかってくれる東京のお店に、商品を並べるお手伝いをしたいと思ったのが最初のスタートでした。
そんななか、東京の伝統文化を反映した「これぞ東京のお土産」というものが無いなとも思っていました。そうであれば、“東京のお土産”をコンセプトに自分でつくりたいと思ったのが、「東京さしすせそ」が生まれたきっかけです。

松田:地方にある「良い商品」の基準とはなんだったのでしょうか?

栗尾:自分で買うか買わないか、がすごく大きい判断材料ですね。味はすごく美味しいけど、この見た目で本当にみんな買うのだろうか?もう少し工夫したほうがいいじゃないか?とか。そのまま東京で売るには難しいなと思うことが多々あって、これはもう自分でつくるのがはやいなと(笑)。東京生活も長くなり、東京のお土産として発信していきたいなという思いもありましたね。

松田:調味料はお菓子に比べて手をいれないと使えないし、文化への理解とか共感も必要でお土産としてはハードルが高いと思います。あえて調味料を選択されたのは理由があるのでしょうか?

栗尾:東京の「食」の伝統って何だろうと考えたときに、江戸前の料理である寿司、天ぷら、佃煮だと思いました。今では世界中にある東京の料理を支えてきたのが、東京産の調味料だと気がついたんです。東京に工場を構えて、いまでも昔ながらの製法で商品をつくり続けている会社さんを集められれば、この「東京さしすせそ」がつくれるのではと。
商売的にはお菓子をつくればよかったのかもしれませんが、みんながわかってくれる「東京の本当にいいもの」をつくりたかったんです。手軽に食べられるお菓子より、家庭のなかで使ってもらうものですからハードルは高いですよね。

完成まで2年。伝統の味を広く伝え実現させた、リピーターを生むサイクル

松田:老舗の商品をまとめているのはアイディアとしても新しくて買ってみたいなと思うのですが、実現させるのはすごく難しかったのでは……

栗尾:めちゃ、難しいです(笑)。

松田:そうですよね(笑)。デザインやトンマナをひとつ決めるのも、A社はこれがいい、B社はこっちがいいと言われてしまうのではと…食のことが分からない素人のフリをして進めたのかなとか、勝手に妄想していました(笑)。

栗尾:苦労しかないです(笑)。完成までに2年ほどかかったので思い入れもひとしおです。みんなで同じ方向に向かって、歩みを合わせられる人たちが集まらないと良いものづくりはできないと思っているのですが、いまの5社さんはこの企画に対して理解して賛同いただいています。

松田:このアイディア面白いね、だけで賛同いただくのは難しそうですが、老舗の会社さんとはどう繋がったのでしょうか?

栗尾:元々お酢の会社さんとは取引があり、老舗の会社さんは横のつながりが強いのでご紹介いただけました。最初から会社の責任者の方など、決定権をもつ方々と商談することができたので、「やりたい」と思ってくだされば進められる状況ではありましたね。

松田:そうなんですね、栗尾さんのお人柄もあって繋がっていけたように思います! 商談では、5社がコミュニティをつくれるような工夫はしたんですか?

栗尾:そういった配慮や気配りはものすごく意識しましたね。僕の想いもわかっていただかないとならないし、ビジネスとして成立させないといけないし。
各社共通の悩みとしては、自分たちの販路で売れても、そこ以外ではどうPRや販売を行えばいいのか分からないということでした。商談では、「フードリレーションのオリジナル商品として『東京さしすせそ』を出しますが、各社さんのお名前も出して、商品の良さが手に取った人に伝わり、それぞれの自社商品の販売にもつながるサイクルを実現させます」と話して、その点にすごくご賛同いただけましたね。

松田:実際に、リピーターの方が生まれているというお声はあるのでしょうか?

栗尾:各社さん、循環がうまれているそうです。中に説明書を入れていますが、各社のご紹介と歴史、調味料の価値が伝わるキャッチコピーを記載しています。ブランド力も高まると思うので、その点は満足いただけていると思います。調味料は使っていただいて初めて生きるので、それぞれのレシピも必須でした。その調味料の魅力を知っていただけるのが一番なので、量もまずはお試し感覚で使っていただけるようにしています。

松田:ちなみに、東京で調味料をつくる会社さんは何社ぐらいあるんですか? そもそもお塩だと海に近くて天日にして…それを東京湾でやっているイメージがないので、東京でつくっているのが驚きでした。

栗尾:実は、かなり少なくて。お酢に限ってはもう横井醸造工業さんのみです。
東京の江戸前寿司屋さんの多くは、横井醸造工業さんのお酢を使っているそうです。これは「きんしょう」といって本来は業務用しかなく、東京さしすせそでセレクトした「きんしょう」は米酢と赤酢のブレンドなんです。赤酢は酒かすが原料で色が濃くてクセもありますが、米酢とブレンドすることでコクも出て使いやすい味になるんですよね。近藤醸造さんのお醤油も、国産丸大豆100%使用した五郎兵衛醤油と言います。近藤醸造さんのお醤油は有名なラーメン屋さんでも使われています。

海の精さんのお塩は、東京湾ではなく伊豆大島でつくっています。事務所は西新宿ですが(笑)。
日本古来の塩は海水をいったん濃い塩水に濃縮してから、その濃い塩水を煮詰めて塩の結晶を取り出します。そうしたなか、国内で実現が難しかった天日塩を完成させたのが海の精さんです。天日塩は太陽の力だけで塩にするので結晶化させるのが、とてもむずかしく、そのノウハウを完成させ、現在の日本で製造される天日塩のパイオニアとなりました。

松田:瓶詰めするのは大変そうですね…

栗尾:これ、どの調味料もすべて手詰めなんです。独自の瓶を使っているので、工場のラインに載せられないんですよね。そこまでみなさんにご協力いただいています。

たくさんの「手」が関わる、売り場づくりと手渡しのこだわり。

松田:いまは贈答品としてパッケージ化されていますが、主にどういう方にご購入いただいているのでしょうか?

栗尾:大切な方や目上の方への贈り物や、出産祝いや引き出物などでご購入いただくことが多いですね。通常、食品を販売されるのはデパートやスーパーが多いですが、東京さしすせそは雑貨屋さんや企業間でのプレゼントなど、幅広くお使いいただいています。海外企業の日本支社の方が、本社へ贈答品として購入いただいたこともありましたね。

松田:包装は、そのお店にお任せしているんですか?

栗尾:できるだけこのままの状態で渡していただきたくて、取っ手になる紐をつけています。包装して後で開けてもらってもいいのですが、渡した相手が「あ!」と喜んでいる顔をみるのが、渡す側も嬉しいと思うんですよ。

松田:なるほど。瓶のパッケージも、こだわっているんでしょうか?

栗尾:それぞれの商品のシールは箔押しという、凹凸になる印刷方法です。例えば、「す」「せ」「そ」では、手作業でもまっすぐ貼りやすいように、瓶の底にラインが揃うような工夫を施しました。そして、日本人の器用さを持ってすれば、手作業でここまで完璧に仕上げられるんだという、ジャパンクオリティーを海外の方にも伝えたくて。
瓶自体も、通常は食品用の瓶を使いますが、「さ」と「し」に関しては、デザイン性も考え高価な化粧品用の瓶をつかっています。瓶じゃなくペットボトルにするか…とも考えたこともありますが、お酢は通常のペットボトルだと溶けてしまったりと、デザイン性も考えると難しかったです。統一性をだすために、販売前にも販売後にも3歩進んで2歩下がる試行錯誤を続けて、出来る範囲のベストがこのかたちでした。

松田:化粧品用の瓶とは…。素晴らしいですね、こだわりの塊だと思います。並べてもきれいですし、飾っておきたくなりますよね。空き瓶になってもお花とか差してしまいそうです。

栗尾:化粧品用の瓶は、食品の瓶の単価では厳しいのですが色んな努力と工夫でなんとか…おかげでちょっと重厚感も出せたと思います。この蓋も特注品です。タグ、かぶせ紙やパッケージ箱など、すべて手作業で行っているので1セットつくるのが大変で。最初は多く製造できませんでした。また、お金をかけたPRなども一切行いませんでした。

松田:それでも色んな媒体に取り上げられていてすごいですよね。

栗尾:そうですね。手前味噌ですけど…自信がありました。根拠はありませんが(笑)。

絶対に受け入れられる自信があったので、やたら宣伝してブームにはしたくなかったんです。ブームって一気に上がって落ちることが多いじゃないですか。わかってくれるひとが徐々に買ってくれて、広がってくれたらいいなと思っていました。僕が死んだあとでも、ずっと未来に残っていくような商品に育てばいいなと。大量生産はなかなかできないので、ご理解いただけるお店にしか置いていなかったんです。

松田:今度は売り場をコントロールするというコミュニティづくりなのですね。いまはオンラインショップでもストーリーを伝えると思いますが、なぜ実店舗にこだわっているのかも気になります。

栗尾:“東京”さしすせそなので、置いていただくお店も東京都内の店舗のみでお願いしていて、ネット販売も基本は自社のオンラインショップのみです。東京土産として買ったのに、大阪で隣の店で売っていますとなるのは…望んでいないことなので。東京で買って、地方で贈ることに価値が出てくると思っています。最初に決めたコンセプトって、商品が浸透していくにつれて崩れていきがちなので、断る勇気も必要かなと。
そのお店に置くことがお互いプラスにならない場合は、アプローチをいただいてもお断りすることもあります。お店にすべての思いや要望を網羅いただくのは難しいのですが、売り場を見て上手くいってなさそうであればお話させていただいたり。本当は売れるのであれば置いてもらいたいんですけどね(笑)。

東京都内の店舗にて。栗尾さん自らお店の方と相談し、ディスプレイをしている(写真提供:フードリレーション)

松田:空港で、買い忘れた人のために地方の銘菓が売られていたりしますが、お声はかかったりするのでしょうか。

栗尾:東京駅と周辺のビルなどには置かせてもらっていますが、デパートからのご依頼も増えてきました。空港は、出店料などを考えるとハードルが高くて…。でも、飛行機内に持ち込める重さと液体の容量も意識してつくっています。

松田:お店に置いたときの箱の木目も、何か意識をされていますか。

栗尾:配置するときに、この箱を3~4つ重ねると木目がきれいにみえるようになっています。木は強くて自然のもので落ち着きますし、日本の象徴かなと思います。海外発送のときにパッケージの仕切りが破けてしまったこともあって、ロットを組むときも運搬中に箱に負荷がかからないように並べ方も考えています。

松田:店舗だと重ねられるんですね!すごく計算していますね。勝手に縦に置くのかと思っていました。

栗尾:縦置き用もありますが、できれば重ねてほしいです。箱もすべてゼロベースでつくっていて、先に瓶を決めてから何パターンもつくりました。既製品なら楽ですが、試行錯誤しながら補強パーツを足したり…オリジナルなので組み立ても手作業で、やっぱり手間はかかります。

松田:なぜ手でつくることにこだわったんですか?

栗尾:それも日本人の特徴かなと。細かい作業って日本人の特技じゃないですか。繊細で。あたたかみもでてくると思うし、手作業は手料理と同じようなイメージです。関わる「手」が多いですよね(笑)。プロモーションは一切やってきていなかったのですが、思いを込めてつくっていればこうして取材もきていただけて、ご理解いただける方の手にとっていただけるんだなと思いました。

松田:手でつくっていて、手で貼って組み立てていると知ったら愛おしいです。それに、すべて手でつくられたものを贈ってくれるなんて…と送る側の評価があがる気がします。このお話をきいたら、特別なひとに贈りたいって思いました。使う側からすると勿体なく感じるかもしれませんね。

栗尾:使い終わったあとにそう思っていただけたらすごく嬉しいですね、作った甲斐があります。

ラベル貼り、箱の組み立てと商品を入れるまでの作業も1つ1つ“手”で行われている(写真提供:フードリレーション)

世界中にある東京の料理を支えてきた、調味料。 調味料をきっかけに、日本の食文化を知ってほしい

松田:レシピは英語版もあるとのことですが、“さ・し・す・せ・そ”については海外ではどう理解されているのでしょう? 日本人であれば家庭科の授業で習っていて、料理するうえで浸透していると思いますが。

栗尾:海外の方もそこまでは理解できていないと思っていて、最初はデザインや「日本の調味料」という大きいくくりで入ってくると思うんですよね。そのなかでも、ひとつ興味を持ってもらい更に手にとってもらい、この説明書でご理解いただけたらいいなと。ただ、「そ」は本来、「みそ」じゃないですか。ソースにしたのは東京生まれのもんじゃ焼きからですが、この商品ならではのアレンジとしてご理解いただけたら嬉しいですね。

松田:さ・し・す・せ・そを海外の方がわかってくださったら、いち日本人としてもすごく嬉しいですよね。

栗尾:日本の食文化に興味を持っている方も増えてきていると感じます。日本の調味料はこういう使い方だよ、と説明があると商品にも深みがでますよね。伝える努力は必要だと思います。

松田:販売後も、PDCAをまわすように工夫を続けていくのが素晴らしいですね。色んな選択肢があるなかでこれを選んだのはどんなところですか?

栗尾:これは商売抜きみたいなところもあって、まずは東京の本当のお土産として東京さしすせそというブランドを確立させたかったんです。まずは損して得をとれじゃないですが、儲かる商品ではなくとも、お客様に喜んで頂ける商品であれば嬉しく思います。付随したものを第2弾、3弾とつづいていく構想です。

松田:この商品で学んだことを活かしていくイメージなのでしょうか?

栗尾:東京さしすせその調味料をつかって、違うものをつくるイメージです。東京さしすせそは4,000円(税別)ですが、普通は実現できない価格です。“いいものが高い”のは当たり前ではなく、自己満足にならない価格に設定するのが一番苦労しました。
各社さんで手詰めして、センターに集めて箱の組み立てをしていますが、輸送コストでも5倍はかかっています。でもそこは、購入するお客さまからしたら見えない部分じゃないですか。だから価格を上げるのも違うと思って、それぞれが利益をけずりながら、それでも展開していきたいという方々のおかげで成立しています。

松田:もともと想定していたことと、想定外にプラスになったことはありますか?

栗尾:完成後に老舗の5社さん、デザイナーさん、瓶の業者さん、印刷会社さん、配送会社さん、料理の先生…関わる方全員で、商品発売記念として寄り集まりました。みんなが喜んでくれて、全員が顔を合わせたときにほっとしました。
責任を持って挑戦した会社が集まり「やりましょう」と言っていただき、これはもうずっと付き合ってくれると思いますし、ひとつのチームとしてやっていけることがプラスになったことです。

松田:勇気づけられますよね。老舗をまとめてブランドにしたことは新しい型を伝えるためのお手本になりますよね。こんなにストーリーがあったんだなって思いました。

栗尾:ありがとうございます。新しい商品ができたらお知らせします!

松田:ぜひ、よろしくお願いします!本日はありがとうございました。

■ご参考■
東京さしすせそ http://www.tokyosashisuseso.com/
「さ」砂糖/株式会社宮崎商店 http://e-osatou.com/
「し」塩/海の精株式会社 https://www.uminosei.com/
「す」酢/横井醸造工業株式会社 https://yokoi-vinegar.co.jp/
「せ」醤油/近藤醸造株式会社 https://www.kondojozo.com/
「そ」ソース/株式会社ポールスタア http://www.pole-star.co.jp/

【撮影協力】桑原雷太

ブラたまEYE ~編集後記~

博報堂ブランド・イノベーションデザインでは、これからのブランドには「志」「属」「形」の3要素が不可欠だと考えています。「志」はその社会的な意義、「形」はその独自の個性、“らしさ”、「属」はそれを応援、支持するコミュニティを指しています。(詳しくはこちらをご覧ください)
今回は「形」の視点で、「東京さしすせそ」から読み取れるこれからのブランド作りのヒントを考えてみたいと思います。

【形】関わる全てのヒトの価値になる形にとことん誠実になる。
欲しいと思えば多くのものが何処からでも買える昨今。特に多くのものを手に入れやすい「東京」の「お土産」を定義する。という信念で、真摯にモノづくりに向き合っているのが「東京さしすせそ」です。
東京のお土産の再価値化を、老舗5社の製品をまとめてパッケージ化することで実現した隠れた秘密についてお話を伺いたい!というのが今回の取材のきっかけです。
お話を伺っているうちに、栗尾さんの持つ熱意や人間力に惹きつけられて、5社をまとめるという難しい取り組みを乗り越えて、ブランドが成り立ったのだろうなと感じました。同時に「東京のお土産」というコアをぶらさず持ちながら、現在の生活様式の中で、海外にも支持される細やかな改善を大胆に行っているところ、そのためのステークホルダーへの誠実なリターンを作る姿勢がこのブランドが支持される理由ではないかと感じました。
例えば、調味料の本来のさしすせそに固執せず、東京だから味噌ではなく、ソースにすること。東京のプロに使われ、外食の味を守ってきた調味料だから、家庭で使いやすいように成分配合のアレンジと活用レシピを提供すること。お土産だから、売り場をできるだけ東京に限定すること。贈答品は手で渡すものだから、触り心地に徹底的にこだわり、会話が生まれるような商品にすること。5つで1つのブランドだからこそ、それぞれの良さをきちんと解説するコピーに徹底的にこだわること。
使う側にも、提供する側にも真摯に向き合う姿勢が「東京さしすせそ」が自ら宣伝せずとも、ニーズを生み出し支持されている理由ではないかと感じました。
見えないところで、どれだけ信念を全うし、細やかに誠実にそれをカタチにすることに向き合うか、それによって受け手のストーリーを作るブランドが東京さしすせそではないでしょうか。東京の台所を支えてきた調味料を一度に体験できるというのは、買い手にとってはとても楽しいもの。
「東京さしすせそ」を受け取った人のお台所では新しく、楽しい体験が生まれていることでしょう。

>>博報堂ブランド・イノベーションデザインについて詳しくはこちら

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