こんにちは。ヒット習慣メーカーズの馬場です。
梅雨の入り口ですね。晴耕雨読という言葉は一般的に悠々自適な生活を指しますが、「その時々の状況に合わせた行動を取るべきだ」と説いているという解釈もあるそうです。私も、この解釈に倣って、今年の梅雨は読書を通じたインプットを増やし、来たる晴れの日での飛躍に備えようかと思います。

さて、今回はそんな読書に関する習慣である「家事しながらの読書」を取り上げます。といっても、正確には本を「読む」のではなく、オーディオブックと呼ばれるナレーターや声優が朗読した本を「聴き」ながら、家事をこなす習慣になります。

オーディオブックは、今年に入り大手配信サービスがサブスクリプション制を導入するなど、まさに利用者拡大の真っただ中にあるコンテンツです。実際、Googleトレンドでの検索数も今年に入ってから顕著に増加しています。

※Googleトレンドより

そんなオーディオブックを聴く習慣が、なぜ家事の最中に根付くのか?
2つの理由があるのではないかと考えています。
1つ目は、効率的なインプットに対するニーズの高まりです。共働き世帯が増加し、夫婦間での家事の分担も進む中で、限られた自宅で過ごす時間でいかにインプットを行うか、が日々の生活の課題の一つになっているのではないかと考えています。
2つ目は、ながら聴き環境が整備されたことです。具体的にはBluetoothイヤホンやスマートスピーカーの普及が大きいのではないかと思います。これまでオーディオブックを楽しもうとすると、PCやスマートフォンから有線イヤホンで聴くというスタイルが主でしたが、これには炊事や洗濯といった水場で電子機器を使うことや、有線イヤホンが絡まないように掃除機を操作することへの不安や不満がありました。Bluetoothイヤホンやスマートスピーカーを活用すれば、このような不安や不満を解消することが出来ると言うわけです。

このような2つの理由を念頭に置いて、Twitterを見てみると「オーディオブックを聴きがらの家事がはかどる。」「時間を無駄にしないためにオーディオブックを活用」や、「オーディオブックを聴くときはBluetoothイヤホン必須、有線はジャマ。」といった旨の書き込みがいくつも見られました。オーディオブック自体の利用者がこれから益々増える中、こうした考えで「家事しながらの読書」を実践する人もまた増えていくのではないでしょうか。

最後に、「家事しながらの読書」のビジネスチャンスについて考えてみました。
オーディオブック自体をより楽しみやすくする仕組みや、聴き始めるきっかけとなる仕掛けなど、いくつかの方向にチャンスがあると考えます。

「家事しながらの読書」のビジネスチャンスの例
■オーディオブック配信サービス提供者が、メーカーと提携して、章飛ばしや文単位での巻き戻し機能など、オーディオブック専用機能を搭載したBluetoothイヤホンを開発する。
■洗剤や掃除用品などを、家事中におすすめのオーディオブックを一冊ダウンロードできる特典を付けて販売する。
■出版社とTV局が、ドラマやアニメの原作小説を、出演俳優・声優が朗読したオーディオブックにして売り出す。
など

ちなみに、読書を通じて本の内容に没頭することがストレス解消に繋がることをご存じでしょうか?現実から気持ちが離れると、脳のストレスに反応する部分の活動が鎮まるからだそうです。家事しながらの読書が習慣化すれば、インプットの効率化だけでなく、日々のストレス軽減にも繋がるかもしれません。

馬場郁実(ばば・いくみ)
データドリブンマーケティング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2016年 博報堂に入社。
入社以来、データマーケティングに従事。業務で培った知見を活かし、新たな習慣を生み出すべくヒット習慣メーカーズに参画。
梅雨の時期は、趣味のテニスがしづらくなるが、同じく趣味の読書の時間は増えるので、複雑な気持ち。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。