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ヒット習慣予報 vol.21 『夜炭酸』

2018.04.24
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの濱谷です。新年度が始まって早くも1ヶ月が経ちました。僕自身は、一緒に仕事をしていた方の転勤、新たな方との出会いなど、寂しさと嬉しさが入り混じった1ヶ月でした。ヒット習慣メーカーズは、今年度も変わらず週刊で習慣予報していきますので、よろしくお願いします。

さて、第21回目のテーマは「夜炭酸」です。大手メーカー各社が炭酸水を続々と発売し、百貨店や家電量販店では自宅で炭酸水が作れる炭酸水メーカーが並び、炭酸水ブームであることは言わずもがなですが、そんな炭酸を「夜」に楽しむ習慣です。実際、炭酸水はどのように飲まれているのでしょうか。弊社ツールのTopicFinderを使って、SNS上で炭酸水と同時につぶやかれている言葉を見てみました。

              <「炭酸水」の共起語ランキング>

出典)Topic finder (※固有名詞やCP目的の投稿は除外して掲載)

まず多かったのが、「ハイボールの割材として飲む」です。ハイボールブームを受けて、ウイスキーと炭酸水を自宅にストックしておき、自宅でハイボール作る人が増えてそうですね。

続いて見られたのが、「ビール/カクテル代わりに飲む」。
ヒット習慣メンバーズの中にも「夜炭酸」をよくやっている人がいます。ある人は、炭酸はチビチビ飲めるので、テレビを見ながら飲むのにちょうどいいそうと言っていました。
興味深かったのが、「カクテル気分」の投稿の詳細です。この飲み方が特徴的に見られたのが妊婦の方でした。妊娠してお酒が飲めなくなり、さらには気軽に外飲みがしづらくなった中、自宅にて、炭酸水をジュースなどと割って、夜にバーで飲んでいるようなカクテル気分を味わえた、といった投稿が見られました。

さらには、SNS上に発信しやすい、ということが影響しているかもしれませんが、「果物やアイスと組み合わせて、デザート感覚で楽しむ」も多く見られました。上記の「苺」は、まさにこの内容で、苺を凍らせて炭酸水で割る飲み方が拡散していました。働き方改革の影響で、夜に自宅に早く帰るようになり、アレンジする時間が増えていることも影響しているのかもしれません。

では、なぜ夜に炭酸水を飲む習慣が根付いているのでしょうか。

具体的な投稿を見ていくと、「喉への刺激」「ひりひりする感じ」という発言が多く見られました。炭酸の刺激が、1日の疲れが溜まる夜のストレス発散になっているのかなと思いました。さらには(少々下品ですみません)「げっぷが、飲んでいる心地がする」という声もありました。“分かりやすく体感できる刺激”が1つのポイントになっていそうです。

ちなみに、同じブランドの炭酸水ペットボトルのパッケージ変遷を見てみましたが、泡の数が増えているようでした。また、最近発売された商品のパッケージでも泡感がすごく強調されていました。“炭酸の可視化”も意外と重要な要素かもしれません。

さらには、「満腹感」や「ダイエット効果」という投稿も見られました。炭酸水を夕食の時に飲むことで満腹感を得て、食事を減らすことによりダイエット効果があったので習慣化している模様です。“夕食のときの満腹感”も「夜炭酸」が習慣化しているポイントだと思いました。

僕も早速、昨日コンビニで炭酸水を買って家で飲みましたが、喉にいい感じの刺激がきて、ふと1日の疲れが飛んだ気持ちがしました(意識して飲んでいるからかもしれませんが・・・)。ちなみに、ダイエット効果はまだ実感できていませんが、最近太り気味なので、炭酸水で満腹感を得て食事を減らしていこうかと思っています(笑)。

さて、今までのヒット習慣予報と同様に、「夜炭酸」にも色々なビジネスチャンスがあると考えます。

「夜炭酸」のビジネスチャンスの例
■コンビニが、炭酸水の定期購入サービスを始める。
■食品メーカーが、炭酸水で割るためのアイスやお菓子を発売する。
■カフェやファストフードが、強さを選べる炭酸水をメニューに加える。
など

僕自身、「夜炭酸」がくせになりそうです。次回予報時に、ダイエット効果が出ていることを願っています(笑)。みなさんも、1日の疲れがたまった帰り道や、自宅での夕食時に、「夜炭酸」、試してみてはいかがでしょうか。

濱谷 健史(はまたに・けんじ)
第三プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2010年 シンクタンクに入社し、2014年 博報堂に中途入社。
ヒット商品やヒット習慣を作りたいと願いつつ、日々マーケティング/コミュニケーション立案に取り組む。2000年代のドラマ好きで、おすすめは「僕の生きる道」と「華麗なる一族」。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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