こんにちは。ヒット習慣メーカーズの鈴木です。

さて、いよいよ12月も中盤。1年を振り返る機会も多くなりましたが、皆さんにとってはどのような1年だったでしょうか?個人的に今年は、世の中で「働き方改革」が大きくクローズアップされたこともあり、仕事の効率化や、仕事後の時間の使い方を強く意識する1年になった気がします。

さて、ヒット習慣予報の第4回のテーマは、そんな「働き方」と今後大きく関係してくる(と、勝手にヒット習慣メーカーズが予報する)「平日夜の週末化」です。

テレビでは、働き方改革で仕事が早く終わってもまっすぐ家に帰らない男性たちのことを「フラリーマン」と名付ける動きも出てきています。(賛否両論ありますが…。)
ただ、突然時間が生まれて、とりあえず何をすれば良いかわからずフラフラと時間を過ごす「フラリーマン」は、まだまだ習慣というよりは現象に過ぎません。

もし新しい働き方が日本に定着するとしたら、日本人の仕事後の時間の使い方の習慣はどう変化していくのでしょうか。そのヒントを探ってみました。

まず、仕事が早く終わるとしたくなりそうなことの定番。「仕事後の飲み会」はどのように変化しているのでしょうか?弊社独自の分析ツールで「仕事後の飲み会」というキーワードがどれくらいtwitterでつぶやかれたのかを見てみると、働き方改革が取りざたされる前の昨年と比較して特段大きな傾向の違いは見られませんでした。
僕自身、あまりお酒を飲むタイプではないということもありますが、周囲を見渡しても飲み会が増えたという実感はそれほどありません。やはり早く帰れるからといって飲み歩いていると、健康的にもお財布的にもだんだん厳しくなってきますもんね。

【仕事後 飲み会】

出典:Topic Finder

では、世の中の人は一体何をしているのでしょうか?
早く帰れるようになったことで夜の活動は積極的になっていないのでしょうか?
試しに「夜活」で見てみると、昨年からぐいぐいと投稿数が増えていました。

【夜活】

出典:Topic Finder

具体的な投稿を見てみると、「平日夜に体育館を借りて昔の仲間でバスケットボールを楽しんだ」「コンサートやイベントに行く回数が増えた」等の投稿が見られました。その他にも、「生け花をはじめてみた」「ビジネス講座に通うようになった」等、ただ飲みに出かけたり遊んだりするだけではなく、自分をもっと成長させるための有意義な時間にしようとする流れも見えてきました。

僕自信この1年を振り返ってみると、会社の後輩と一緒に平日の夜にフットサルの練習や試合に出たり、別の後輩とは仕事終わりに横浜アリーナにアイドルのコンサートを見に行ったりと、例年に増して平日の夜が充実していたように感じます。普段会社でしか会わない後輩と会社外で遊ぶと、今まで知らなかった後輩の一面が見られてもっと仲良くなったりするのも楽しかったです。

このように、今までは趣味を楽しんだり、じっくり習い事をしたりできるのはほとんど週末が中心でしたが、平日の夜に少し余裕ができたことで、「平日の夜を、まるで週末のように楽しむ」ことが増えている気がします。土日にしかできなかったことが、平日にもできるようになるなんて、なんだか少し生活が豊かになったような気がしますね。

実は、夜の時間を充実したものにするという考え方は海外では積極的に取り入れられています。例えばニューヨークでは仕事終わりの人も楽しめるようにブロードウェイの舞台の開演は遅めになっていて、終演の多くは夜23:00以降。その分地下鉄は終電がない24時間営業で、夜中も楽しめる街になっています。また、ロンドンでも昨年8月からロンドンの夜間経済に活力を与えることを目的に、終夜運行する電車、「ナイトチューブ」が開始されました(運行は金・土のみ)。

(左)眠らないニューヨークの街。(右)ロンドンは「ナイトチューブ」を開始。

それに対して日本は他国と比べて夜のエンターテインメントが少なく、夜の交通手段も少ないと言われることが多いようで、そういえば僕も海外から来る友人に、「日本の終電早くない?かつ深夜タクシー高くない?」という指摘を何度か受けたことがあります。
夜の時間を充実させるためのアクティビティやインフラの充実は、来たる2020年に向けてもひとつの課題かもしれません。

余談ですが、今世界では昼間の市長とは別に、夜の行政を専門に担当する「Night Mayor(ナイトメイヤー)」という役職が欧州の各地で誕生していて、注目を集めているようです。そんな中、今月1日「東京ナイトメイヤー」の発足準備委員会設立が発表され、日本でのナイトメイヤー誕生の機運が高まっています。日本も大きなベクトルとしては夜の充実が推進されていくことに間違いはないようです。

これまでのヒット習慣予報でもビジネスチャンスの例をいくつかご紹介しましたが、「平日夜の週末化」も色々なビジネスチャンスがあると考えます。

「平日夜の週末化」のビジネスチャンスの例
■ 車メーカーと組んだ、平日のナイトドライブの促進。
■ 結婚式場が「平日夜結婚式」を提案する。週末の結婚式は一日仕事なので、平日夜結婚式に親しい友人を招いて気軽な結婚式を行えるようにする。
■鉄道会社が、「深夜列車」を運行する。など

働き方改革の推進と、2020年のインバウンドのピークに向けて、夜の過ごし方がどう変わっていくのか。とりわけ「平日夜の週末化」がどのような活況を見せるか、みなさんもぜひご注目ください!!

鈴木 康司(すずき・こうじ)
統合プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2007年 博報堂に入社。
ヒット商品やヒット習慣には飛びつかずにはいられない、ドミーハー。好きが高じて、ヒット商品やヒット習慣を生みだせると良いなと思い日々奮闘中。休日は家でアイドルのDVDを見るのが好き(主にジャニーズ)。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

<バックナンバー>
vol.3『朝たんぱく食』
vol.2『カラ―トリップ(色起点の旅行)』
vol.1『木曜日のちょい飲み』