HAKUHODO SOCILA ACTION

日々の仕事を通じて取り組む / HAKUHODO DESIGN

新しい社会の価値と人の暮らしをデザインする

株式会社HAKUHODO DESIGN
代表取締役 / クリエイティブディレクター

永井 一史

広告とデザイン

デザインというのは、もともと、新しいものを生み出し、美しく磨いて、文化的なものにしていく、そういうことに存在価値を見出します。
ところが、広告の仕事はそういう価値観では動かない。ある程度のスケールの中で、どれくらいの人が動いたとか、そういうダイナミズムに重心を置く。そういうフィールドが広告だと思っています。
そのふたつの価値観を統合してくれたものがブランドという考え方でした。
ブランドは、企業側にとっての論理だけではなく、生活者と共有ができる価値を生み出すことが根幹なので、私にとって、デザイナーの本質的な欲求である世の中にきちんと構築していく価値ということと、広告のダイナミズムというものがかけ算になった方法論でした。

広告とデザイン

クオリティオブライフへ向かう提案

デザインを考えるとき、問題の一番根本的なことは何だろうと考えます。まさに、ブランドの考えかたです。企業や商品の本質は何だろうと考え、それと我々、一生活者はどういう関係があるのだろうと考え、そこを双方向でつなぐデザインをする。それは社会的な課題においても同じです。
デザインは、物の視点から見れば人の営みに向かうとも言えるし、また、モダンデザインの発生を考えるとある種の社会運動でもある。広告の特長を、大きなデザインの概念へと展開していったとき、世の中のためになるとか、人のクオリティオブライフであるとか、人の幸せに向かうようなことと、もっと良好な関係を持ち、新しい提案を行えるのではないか。それが、+designの考え方のベースです。

クオリティオブライフへ向かう提案

価値をつくり、拡げていく

事業主体ではなく、商品もつくらない広告会社の、一番の役割は、「どう伝えるか」を構築・創造できることです。それを社会のためにと考えたとき、コミュニケーションデザインが、最も素直な領域なんだと思います。
しかし、これからの世の中を考えたとき、私たちのクリエイティブで培った知見・力を生かしながら立ち上げる、新しい領域もあるかなと思います。「伝える」というスタンスではなく、もう少し根本的な価値から一緒に構想して、かたちにして、運動にして、拡げていくような。そしてそれもまた私にとってのデザインなんです。

価値をつくり、拡げてい

行動するデザインへ

これから先、社会構造が変わっていく中で、先頭に立って企業をサポートしたり、社会に向かってドライブするようなことを、博報堂全体ができれば素晴らしいと思います。 今までは、様々な活動を通して、デザインによって社会の課題を解決する考え方を示してきました。
しかし最近は、自分の中で、社会問題の問題意識が少し変わってきています。ビジネスというフィールドにソーシャルの問題を持って行って、営利・非営利、公共セクターを問わず共同して、きちんと積み上がっていくことを残した方がいいのではないか。そう思い始めています。
私の考える広い意味でのデザインが、既存の広告やコミュニケーション枠にとらわれず本来の力を発揮していってもいいんじゃないか。そうして、人の幸せや、よりよい社会のあり方に寄与していけたらいいと思います。

行動するデザインへ

  • 左 : 『エネルギー問題に効くデザイン』
    (誠文堂新光社刊)
  • 中 : 『震災のためにデザインは何が可能か』
    (NTT出版)
  • 右 : 『幸せに向かうデザイン』
    (日経BP社)