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公共キャンペーン

伊藤一枝

戦略プロデュースチーム リーダー

「国民運動化」する力を創る

多様なプレイヤーを巻き込み、連携させ、国家レベルを動かすコミュニケーション。博報堂は、環境問題の啓発といった国の公共的なキャンペーンも手がけています。

成功する公共広告とはどんなものか。私の考える公共広告の特性は3つあります。

ひとつは、「国民運動になる」ということ。公共広告は、蔦の葉が絡まるように、人と人の繋がり、企業・地域・団体・NPO・NGOとの繋がり等、できるだけたくさんの人を巻き込んでいくことがとても大切です。一方的に伝えるだけでなく、全てにおいて連携していかなければ、多くの人を動かすことはできないからです。たとえば、博報堂が手がけた「チーム・マイナス6%」のロゴは誰でも使うことができました。さまざまな企業や団体が同じようにロゴを使用する。そのことだけでも、この運動の当初の予算の数倍もの影響力を生んだのです。

二つ目は、「競合がなくなる。」ということ。同じ業種でも、ひとつの目的にむかって、チームになる。広告では競合になる企業が、協力しあったり、同じ広告の中で肩を並べたりします。メディアも同様です。例えば、各TV局が同じ「冷房の設定温度」をテーマに自主広告をオリジナルに制作しオンエアーする。ちょっと不思議に思いますが、インパクトがあります。

三つ目は「誰もがメッセンジャーになれる」ということ。たとえばチーム・マイナス6%の広告では、総理大臣がクールビズを発信し「ひとつのチームになろう」と宣言しました。

イギリスの首相も、企画に賛同して、はじめて日本の広告に出演してくれました。また、JOCから各競技のスポーツ選手も、アニメの世界からキャラクターも、小学校のクラスや商店街も、様々な形でメッセージを送ってくれます。新しい、今まで広告に出たことのない人、今までやったことがないことも、アイデア次第では可能になるのです。

こういった成功をもたらすキャンペーンはどうやったら創れるのでしょうか。

私がなにより重要だと感じているのは、チームの力を生み出すということ。人と人の繋がり、企業・地域・団体・NPO・NGOとの繋がりが国に広がっていく。チームを創るということは、たんに人数や規模を大きくすることだけでなく、競合をなくし、絡みあい、より深くなり、助けあうこと。チームというコンセプトを、様々な人や企業や団体が繋ぎ、それぞれが自分事化していく。「チーム力」を創り出す。それが公共広告の成功のために不可欠なことであり、公共広告に携わる醍醐味でもある。そう考えています。


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