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商品は、クライアントの魂そのものです。どんなに斬新な新商品のアイディアも、コンセプトも、最後にそれに賭けるのはクライアント自身です。そして、クライアントが新たな商品の開発に魂をこめるとき、そこには企業としての強い結束が生まれ、そのエネルギーがこんどは使う人の心を動かします。
博報堂は、クライアントと生活者の間、ある意味で中間的な存在です。クライアントとは違う視点、つまり業種や立場、時代を跨る視点でアイデアを考えることができます。そうした垣根をひょいと跨ることが、次の社会をつくるイノベーションの鍵だと、博報堂は信じています。業界では当たり前だと思ってきた暗黙の常識や、生活者が当たり前と思っている習慣や感覚のむこう側が、博報堂には時折自然に目に入ってきます。私たちの、この独特の感性をクライアントの商品やサービスのイノベーションにうまく役立てていきたいと考えています。
しかし、イノベーションには勇気がいります。だからこそ、イノベーティブなアイデアほど、クライアントの深い"腹落ち"なしには実現しません。私の経験では、他人から与えられるアイデアより、自ら生み出した斬新なアイデアでイノベーションを起こしていることのほうが遥かに多いように感じます。これは、とりもなおさず他人から得たものより自ら生み出すもののほうが"腹落ち"しやすいからだと思います。
そこで、博報堂は、最近、クライアントと博報堂との混成メンバーでチームをつくり、商品やサービスを開発する仕組みを頻繁に取り入れています。たとえば、博報堂メンバーは業種や時代を跨る視点をチームに投げ入れる。クライアントメンバーは、たとえば技術の可能性やコストの問題をチームにインストールする。こうして最終的に生み出されたアイデアは、果たしてクライアントメンバーのアイデアだったのか、博報堂メンバーのアイデアだったのか、はっきりしないことがあります。「でも、そんなこと、どうでもいいや」と、そんな風になるとき、良質なイノベーションが生まれる可能性は一気に高まります。
私たち博報堂の人間は、そうしてクライアント自身がイノベーションに向けて武者震いをし、結果生み出される新しい商品やサービスが生活者や社会のために新しい文化を生み出していくことに、無類の喜びを感じ、夢中になって働いているのです。
