博報堂生活総合研究所は、サマーセミナー2017「こども20年変化 タダ・ネイティブあらわる」を、7月26日(水)東京都内JPタワー ホール&カンファレンスにて開催しました。

本セミナーでは、1997年より博報堂生活総合研究所が10年おきに行なってきた子ども(小学4年生~中学2年生)を対象とした調査の時系列分析等をもとに、今の子どもが1997年からの20年でどのように変化してきているのか、研究成果を発表。企業のマーケティング担当者や経営層、メディア関係者など、500名を超える方々にご来場いただきました。

セミナーではまず「少子化」「親の共働き化」「脱ゆとり」など子どもを取り巻く環境が変化したことにより、子ども自身に生じた3つの大きな変化(人間関係・消費・情報)について紹介しました。

<子ども20年の大変化>
■人間関係:反抗する相手がいないので、まるく、やさしく、つつがなく
■消費:現状に満足しているから、お金をかけず、欲しくてもがっつかない
■情報:スマートデバイスが浸透し、情報はいくらでも引き出せるのであえて追わない

発表中の酒井上席研究員

それら変化を受けて、博報堂生活総合研究所は、今の子どもを「(通信コストをのぞけば)費用や手間、労力をかけずとも、情報もコンテンツも自由に利用できるのが当たり前の世代」として「タダ・ネイティブ」と命名。
その「タダ・ネイティブ」たちの特徴について、友達とのつきあい方、コンテンツの楽しみ方、お金の使い方の観点から、掘り下げて解説を行いました。

<タダ・ネイティブの特徴>
■友達とのつきあい方:ネットを「リアルと地続きの空間」として集まり遊ぶ
■コンテンツの楽しみ方:流行や新旧に関係なくおもしろければ受け容れる
■お金の使い方:好きなものに主体的に関わる表明手段としてお金を使う

発表中の十河研究員

以上のような子どもたちの変化を受けて、大人や社会は子どもたちとどう共生していくべきか。それを考える示唆として、最後に石寺所長から「タダ・ネイティブが社会の中心となった未来」について提言がありました。

<タダ・ネイティブが社会の中心となった未来>
■「リアルに関する常識」の再編成が始まる
生活者の中にある「ネットでないといけないもの」「リアルでないといけないもの」「どちらでもよいもの」についての境界線が引き直される
■「温故知新」という行為が見直される
あらゆるコンテンツやリソースは「古いもの」ではなく「昔からあるもの」と捉えられ、新しい価値を生む“休眠資産”となりうる
■「プレミアム」の定義が変わる
何がプレミアムなのかは、送り手主導の「希少・高品質」だけではなく、生活者が「応援・協賛したい」ものなど受け手主導にシフト。価格の決まり方も変動的な性質を帯びていく

発表中の石寺所長

セミナー終了後、参加者からは
「10代以下の世代を自分たちで調査する機会がなく、自分自身もその世代と触れる機会がないので参考になった」
「20年という長期の時系列変化の調査結果はとても興味深い」
「『タダ・ネイティブ』を前提に生活者を捉えると新しいサービスが生まれそう」
などの声が多く寄せられました。

会場風景

今回発表した20年間の調査結果は、セミナー当日7月26日より無償一般公開を開始しました。博報堂生活総合研究所のホームページからダウンロードが可能です。
http://seikatsusoken.jp/kodomo20data

博報堂生活総合研究所は今後も、生活者のきめ細やかな調査研究を通じて、よりよい未来を提言する活動を続けてまいります。