博報堂ブランドデザインが東京大学と開催する、大学生のためのブランドデザインコンテスト「BranCo!」。
さる3月18日(土)、東京大学駒場キャンパスにて、ファイナルイベントであるBranCo!2017決勝プレゼンテーションイベントが開催されました。

本イベントは、当日午前中に行われるニ次予選で選ばれた4チームと、今年初開催のBranCo!KANSAI最優秀チーム、計5チームが競い、ファーストプライズ(1位)を決めるものです。合わせて、豪華ゲストによる「平和」をテーマとした講演も行われました。


会場となった900番講堂には、多くの参加学生・観客が詰めかけた。

冒頭、東京大学大学院総合文化研究科・真船文隆教授、そして博報堂ブランドデザイン宮澤正憲代表より、ご挨拶および「ブランドデザイン」に関する簡単なレクチャーを行いました。「平和という難しいが大きなテーマについて、みなさんの考えを聞けるのを大変楽しみにしている。見ているみなさんも、ぜひいろんな視点から学びを得てもらえれば」と参加学生を激励しました。

その後、ゲストで審査員でもある朝日新聞GLOBE編集長・国末憲人さんの講演を実施。「戦場で平和を考える」というタイトルのもと、自身の紛争地域での取材経験を紹介しながら、「戦場といっても、そこには生活がある。戦争はある日突然やってくるもの。平和は実はもろいということを感じている」と語りました。


講演をする国末憲人さん。

続いて、今回のBranCo!に協賛をいただいている株式会社READYFORの米良はるかさんによる講演がありました。「クラウドファンディングで幸福を実現する方法」と題し、自身の生い立ち、事業を立ち上げるきっかけとなった出来ごと等を紹介しました。「誰もが自分のやりたいことを実現できると、幸福な世界が実現できると信じている。彼らの多様なチャレンジを今後もサポートできたら」と語りました。


講演をする米良はるかさん。

その後は、いよいよ午前中におこなわれた二次予選の結果の発表です。参加学生が息をのむ中、決勝に出場できる4チームが発表されました。選ばれたのは、「atoi」「カタスミンゴ」「もつよせ鍋」「お湯」。BranCo!KANSAI最優秀チームである「思考の杜」も加わり、すぐにファイナルプレゼンテーションのスタートです。

最初に登壇したのは、「思考の杜」。関西学院大学の男子6人チームです。彼らが提案したのは、「KAJINO」というブランド。「KAJINO」は、「ルールのある争いは平和を生む」というインサイトに基づく、夫婦の家事分担に関するゲームブランドで、家庭内の「平和」を実現するアイデアです。

続いて登壇したのは、「atoi」。千葉大学の男女混合4人のチームです。彼らは、けんかした小学校低学年の児童に仲直りを促すブランド「ナカナオリング」を提案。先生がけんかをした双方から話を聞いた後、紙で作った「ナカナオリング」を腕に付けて仲直りする時間を指す針を書き込むことで、仲直りのプロセスを可視化し「質の良いけんか」を実現しようというものです。

続いては、「カタスミンゴ」。東京大学と東京芸術大学、武蔵野美術大学の男女混合5人チームです。彼らが提案したのは、「PINBOL」というブランド。「日常生活の中に平和のモニュメントを」というコンセプトに基づき、「平和」を思い出すことにつながりそうな様々なモノに、時計の針を取りつけてモニュメント化するアイデアをプレゼンしました。

続いて、「もつよせ鍋」。明治大学、法政大学、多摩美術大学、立教大学の男女混合4人チームです。彼らは、「iブレラ」という傘ブランドを提案しました。半永久的な人間関係の中でのささいな悩みを解決することが平和の鍵と捉え、なかなか会えない祖父母と孫が同じタイミングで傘を差した時に会話が出来るというアイデアです。

最後に登壇したのは、「お湯」。慶應義塾大学と多摩美術大学の、男子4人チームです。提案したのは「マドトモ」というブランド。小学校の窓に、複数の外国の学校とテレビ電話でつながったディスプレイを設置するというアイデアで、幼いころから異文化に接することで差別や偏見をなくすことを目指そうというものです。


プレゼンテーションの様子。

ファイナルプレゼンテーションがすべて終了すると、ゲストであるジャーナリスト・堀潤さんによる講演が行われました。「ジャーナリズムと平和」というタイトルのもと行われたお話では、「OpinionよりFactが大切」「大きな主語でなく、小さな主語で語ろう」「消費者だけでなく、自分でアクションをおこす生産者になろう」といった印象的な言葉を多数いただきました。


講演をする堀潤さん。

そして、次に登壇したのは“女子高生社長”としてメディアにも多数出演実績のある椎木里佳さん。「JCJKが平和をめぐって本気でプレゼン?!~Peacetagram~」というテーマで、自身が率いる女子中学生・女子高生メンバーによる、“平和”をテーマにしたインスタグラムが紹介されました。「暇=平和」と捉え、とにかく暇そうな写真をアップしたチーム、「一人の大事な友達=平和」と捉え、プリクラなど2人の様々な活動を発信したチームなど。女子学生らしいフレッシュな切り口のアイデアが紹介されました。椎木さんはそれらのプレゼンを受けてコメントし、「女子中高生にとっては、平和という言葉から連想するのは何気ない日常の風景。それぞれ異なる視点でアイデアを出し、いずれもユニークなものだったと思う」と語りました。


(上)女子中高生メンバーによるプレゼンテーション。(下)コメントする椎木里佳さん。

さて、ゲスト講演も終わり、いよいよ結果発表の時間です。ドラムロールの音とともにまずは「セカンドプライズ(2位)」が発表されます。

選ばれたのはチーム「お湯」。平和という大きなテーマにまっすぐ向き合ったこと、テック技術との掛け合わせの工夫、新しい世代から変えていこうという力強いメッセージが評価されました。審査員からは、1位と大変僅差であり、議論が難航したことも伝えられました。「お湯」は当日同時に行われていた「オーディエンス投票」では1位を獲得しています。


セカンドプライズを獲得したチーム「お湯」。

続いて、「ファーストプライズ(1位)」。選ばれたのはチーム「atoi」でした。プレゼンテーションの質の高さ、アニメなどを活用した調査のユニークさ、アイデアの実現性の高さが評価されました。優勝した「atoi」のメンバーは、「去年も同じメンバーで出演したが、予選で敗退したので、今年はリベンジが出来て本当に嬉しい。勝因は、“とにかくねばり強く考えたこと”だと思う。一人でも納得できない人がいれば何度も立ち返り考えた」と語りました。


ファーストプライズを獲得したチーム「atoi」。

ファイナリストに残った3チームにも盛大な拍手と賞状が送られ、熱気さめやらぬままイベントは終了しました。

本イベントを主催した博報堂ブランドデザインの宮澤代表は、「どのチームが優勝してもおかしくない、非常にレベルの高い戦いだった。かけた時間と情熱が、勝敗をわけたように思う。今回のイベントに刺激を受けて、また来年も参加をしてもらえると嬉しい」とコメントしています。

なお、イベント終了後には参加者による懇親会も行われ、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんが特別ゲストで登場。「平和」をテーマにトークショーを実施しました。「平和は難しいテーマ。捉え方次第でお笑いにもなるし、悲劇にもなる。」と述べた後、世の中の争いの一つとして、“持論のぶつけ合い”を例に挙げ、「人の価値観や情報に流されず、自身が見たものを信じて、たくさん悩み考えること。それこそが世の中が平和になることにつながる」と語りました。会場は笑いと感嘆の声で包まれ、1日を通じて充実感にあふれた参加学生の顔が印象的でした。


懇親会の特別ゲスト・ウーマンラッシュアワーの村本大輔さん。

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