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世界に存在感をアピールする韓国の広告界 ―「AD STARS 2016(釜山国際広告祭)レポート」

2016.09.07
#広告賞

 今年で9回目を迎えたAD STARS 2016(釜山国際広告賞)が、8月25~27日まで開催されました。当広告賞は、毎年韓国・釜山で行われる国際広告賞で、AD STARSの愛称と共にその存在をアジアに示しています。

博報堂グループからは、TBWA\HAKUHODOシニアクリエイティブディレクターの原田朋がダイレクト部門・メディア部門・プロモーション部門・PR部門の審査員を務めました。

原田は、AD STARSのライブ動画インタビューの中で、韓国の広告業界を盛り上げたいと願う韓国の広告業界で働く若者に「Think Huge. Craft Delicately.」とエールを送り、「世界に存在感を示そうとする韓国広告界の気概に、日本も負けてはいられない」と感想を述べました。

原田朋シニアクリエイティブディレクターのコメント

「韓国の広告業界で働く若者にアドバイスをお願いします」。
会場で運営スタッフによびとめられ(審査員のバッジをつけていたので)、Facebookのライブ動画に突然出演することに。
「Think Huge. Craft Delicately.だ」。
さらに「日本も韓国も広告業界はオーバーナイトカルチャーだと若者が心配しているのですが、どう思われますか」。
え。それ僕が答えるの?
「ときどき徹夜、が20年も続いてるけど、広告業界をやめてないのは、楽しい徹夜だからさ。そこまで楽しい業界って他にないよ」。
良い答えだったかわからないけど、韓国の広告業界を盛り上げたい!という意志が伝わってきたので、真摯に答えたつもり。
審査料を無料にして応募を促進し、審査員を世界中から招待して、世界に存在感を示そうとする韓国広告界の気概に、日本も負けてはいられないと思った。
TBWA\HAKUHODOの作品が次々受賞して審査員仲間でも尊敬されたし誇らしかった。そして、Life is Electric やKawaii Miso Soup、Homeless Christmas Lightsといった日本の受賞作品を見ると、日本がズバ抜けているのはCraftかもしれないと改めて考える。伝統的なCraftsmanshipの血は、広告界の僕らの中にも受け継がれているはずだ。

⇒受賞リリースはこちら

原田 朋(はらだ ともき)
TBWA\HAKUHODO
シニアクリエイティブディレクター
1996年博報堂入社。2012年カンヌサイバーライオン、2013年カンヌPRライオン、2013年スパイクス・アジアプロモロータス、2012年JAAAクリエイティブ・パーソン・オブ・ザ・イヤーなど、国内外の広告賞を受賞。2014年カンヌPR部門審査員に就任

AD STARSのセミナーには、博報堂アジア・パシフィック(以下、HAP)リージョナル・エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターWoon Hoh(ウーン・ホー)が登壇し、博報堂の「生活者発想」について講演しました。

AD STARSセミナー

日時:8月26日(金)12:30-13:10
講演者 : Woon Hoh(ウーン・ホー)
HAPリージョナル・エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター
タイトル:『CREATING OPPORTUNITY WITH SEI-KATSU-SHA』

『CREATING OPPORTUNITY WITH SEI-KATSU-SHA』と題された講演の冒頭で、Woonは『生活者発想』という博報堂のフィロソフィーを説明しました。
「生活者を捉える時、我々は生活者を平面な存在ではなく、月のような球体であると考える必要があるでしょう。我々が生活者を見ている時、月の片側半分だけを見ていると言えます。生活者を正確に捉えるには、一方向からではなく、多方向からの視点が重要になってきます」。
さらに、「ビジネスチャンスを作るには、『消費者発想』ではなく『生活者発想』で物事を捉えることが重要である」と説明し、「私たち博報堂グループは『今ある世の中』(現実)と『今後起こり得る世の中』(理想)の間にこそ、ビジネスチャンスがあると考えます」とし、生活者のインサイトを捉えてビジネスチャンスを獲得した、博報堂の事例を紹介しました。

Woon Hoh(ウーン・ホー)
博報堂アジア・パシフィック
リージョナル・エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター

1992年米サンフランシスコGraphic Design School of Fine Arts卒業後、北京やマレーシアの広告会社を経て、博報堂インドネシア、博報堂バンコクなど、アジアのトップネットワークエージェンシーにて勤務。博報堂インドネシアではリージョナル・エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターに就任し、任期中同社をインドネシア国内で常にトップ3のポジションに導いた実績がある。若手の育成にも尽力しており、ニューヨークフェスティバル、ロンドン国際広告賞、アドフェスト、スパイクス・アジア、カンヌなど、博報堂アジアパシフィックチームに多数の受賞をもたらした。

また、韓国では本年が初回となるad techが、AD STARSの共同開催イベントとして開催され、博報堂チェイル 代表理事社長兼CEOの秋葉一雅がパネルディスカッションに登壇しました。

ad tech@AD STARSパネルディスカッション

日時:8月26日(金)17:10-18:00
登壇者:SKプラネット マーケティングテクノロジー本部長 パク・サンヒョン (モデレーター) PENGTAI韓国支社代表 チェ・ウォンジュン 博報堂チェイル 代表理事社長兼CEO 秋葉一雅
タイトル:『Future Agency in the era of Marketing Convergence』

韓国で初開催となった、ad techが、8月25日~27日に行われたAD STARSの共同開催イベントとして実施されました。約3千人の入場者を対象に、3日間の展示会と、2日間で27のセミナープログラムが用意され、それぞれ多くの入場者で盛況に終わりました。

秋葉が登壇した最終日最後のパネルディスカッションは、『Future Agency in the era of Marketing Convergence』と題され、『マーケティングコンバージェンス時代 – 広告会社の未来』というテーマで行われました。

パネルディスカッションには、モデレーターとしてSKプラネット社のパク・サンヒョン マーケティングテクノロジー本部長、スピーカーとしてPENGTAI 韓国支社代表のチェ・ウォンジュン支社長と博報堂チェイル 代表理事社長兼CEOの秋葉が登壇し、モデレーターの主導で実施されました。

パネルディスカッションは、韓国、中国、日本の現在の広告会社の環境と将来についての紹介と意見交換をする場となり、その中で秋葉は、博報堂の新しい『VISION』と『生活者発想』に触れながら、企業のバリューチェーンすべてに対応していく当社グループの姿勢を紹介しました。

秋葉 一雅(あきば かずまさ)
博報堂チェイル
代表理事社長兼CEO

1983年早稲田大学卒業。1985年ミシガン州立大学大学院修士課程卒業。1986年に博報堂に入社後、博報堂本社営業、国際局勤務などを経て、2006年上海博報堂(中国)副社長に就任。2010年には、博報堂コミュニケーション・パートナーズ(中国)の社長、2012年からは博報堂チェイル(韓国)の代表理事社長兼CEO。

■AD STARS公式サイト

→ http://www.adstars.org/adstar/main/AdstarMainView.doPDF

■ad tech@AD STARS公式サイト

→ http://adtechkorea.com/PDF

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