博報堂生活綜研(上海)は、中国伝媒大学広告学院と共同研究を行い、「生活者“動”察」の5回目となる研究成果を12月20日、北京において発表しました。今年の研究テーマは「新しい『文化消費』を生み出す生活者たちとその欲求」です。今回は、日常生活の中で、衣食住、旅行、スポーツ、学習など様々な領域における生活文化が広がり、生活者の中でも新中流層が積極的に取り込んでいる現象を、「文化消費」の拡大と捉えて分析を行いました。その中で、新中流層の「文化消費」の基にある欲求を「余楽」と名付けました。

近年、音楽や演劇、絵画などの芸術文化に関する消費行動に加えて、食やスポーツ、日本のアニメ・コミック・ゲーム(ACG)など、広い意味での文化を消費し楽しむ人々が増えています。それに関連する市場規模も急速に拡大しています。その背景には、経済が全体的に豊かになり、モノの豊かさだけでなく、心の豊かさを求めるようになってきている新中流層が拡大していることと、彼らの「文化消費」への渇望感が日々増大していることが要因ではないでしょうか。

博報堂生活綜研(上海)は、新中流層の「文化消費」の基にある欲求を理解する為に、生活者の「文化消費」行動を調査し、同時に様々な有識者にも個別インタビューを実施しました。その結果、文化消費を実践している新しい生活者の志向を7つの特徴 【①デイリークオリティ志向、②素養志向、③文化趣味+スキル志向、④リアル共創志向、⑤慢(中国語でスローという意味)志向、⑥熟志向、⑦ヌーベル“チャイナ”志向】で捉えました。
参考資料1ご参照

さらにこれらの志向の研究を通し、私たちは、「文化消費」を支えている多くの生活者には、自分の好きなことを伸ばし「自分らしさ」を獲得していきたい、また、「文化」に触れることによって「感情・知性の質」の広がりである「余」を得たい、「楽」しみたいという、おおもとの欲求があると考えました。そしてその欲求を「余楽」という造語のキーワードで表現しました。
「余楽」の中国語の発音(yúlè)は「娯楽」と同じです。しかし単なる暇つぶし的「娯楽」ではなく、あえて「無駄」や「手間」を重視して、それを楽しむことで心の豊かさを広げて行きたいという欲求が「余楽」です。

博報堂生活綜研(上海)は、今後もこのプロジェクトを継続して進め、独自の視点で中国の生活者を見つめ、新しい角度からの洞察を提言していきます。

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