新大人は自分を“シニア”だと思わず、“シニア”と呼ばれたいとも思っていない。
「自分は従来の40~60代と違う」という意識が高い傾向に。
博報堂新しい大人文化研究所では、40~60代を“新しい大人世代“と呼び、調査研究を行っています。調査結果を見ると、40~60代の変化は、さらに本格感を増しています。新大人研レポート2012~13年は「絶滅!?する中高年-“新しい大人世代の登場”」、2013~14年は「いま高齢社会は“新しい大人社会”へと大きく変化」でした。2015年はあらためて生活者の変化に注目して『シニアから新大人へ』。自分たちは従来の50・60代とは違うという意識が高まっています。40代も含めて、単なる「若々しさ」だけでなく多方面での新たな兆が見えて来ました。今回のシリーズでは、消費にも大きな影響を与えるその生活者の意識変化を明らかにして行きます。
調査結果から新しい大人が“新型50・60代”へと変化していることがみえてきました。
これまでも「自分は“シニア”ではない」という意識を持っていた40~60代ですが、その傾向がより強くなり、「自分達は従来の40~60代とは違う」と思っていることがわかりました。
現在の50・60代は自分のことを“シニア”だとは思っておらず、“シニア”と呼ばれたいとも思っていません。「“シニア”を自分のことだと感じるか」という質問に対して、2012年では50代:19.7%、60代:56.1%と、既に自分のことをシニアとは思わない傾向にありますが、2015年では50代:13.1%、60代においては46.2%と10ポイント減少し、その傾向を強めています。
また、現在でも政府自治体では65歳から高齢者と規定されてはいますが、今回の調査によると、85.1%が「自分たちはこれまでの40~60代とは違う」と感じているようで、特に女性50代が88.0%と高い傾向にあります。
では、どのような点において従来の40~60代と違うかというと、1位「年相応にならない」、2位「若さ」、3位「新しいものやコトに敏感」という回答が並びました。また、自分とその周りだけが従来の年代と違うと思っている人が約6割もいました。
これまでの“シニア”像とは異なる、こういった意識を持った新しい大人を“新型50・60代”と呼べそうです。