博報堂生活総合研究所アセアン所長 帆刈吾郎の連載「アセアンのリアルな生活者の姿を追う」第1回が「Agenda Note」に掲載されましたので、お知らせいたします。

「なぜタイの中間層は、折りヅル貯金をするのか」博報堂生活総研アセアン帆刈吾郎

博報堂生活総研アセアンは「生活者発想」に基づき、アセアン各国で暮らす生活者の行動や意識の変化について、さまざまな研究活動を行っています。
特に研究では、「鳥の目」と「虫の目」二つの目線を意識しています。「鳥の目」とは、生活の変化を俯瞰でとらえる目線です。マクロデータや、定量リサーチから、意識や行動の大きな変化を把握します。一方の「虫の目」とは、生活者行動変化の実態を、生活者一人ひとりの行動のディテールからとらえる目線です。家庭訪問調査などのフィールドワークから、行動や意識変化の背後にある深いインサイトを発掘します。
本稿では、「鳥の目」「虫の目」二つの目線を通して、現地生活者の新しい消費行動やデジタル接触環境の変化などのリアルな姿を紹介していきたいと思います。

タイの「自称中間層」を訪ねる

今回ご紹介する家族は、タイ・バンコクのチャオプラヤ川の近くの一戸建てに住んでいる家族です。夫婦と子供一人の三人暮らしの彼ら世帯月収は1万6千バーツ、日本円にして約5万6千円程度です。これはSECと呼ばれる社会経済階級区分ではDクラスにあてはまり、収入面でいえば、どちらかというとローワ―クラスに分類される世帯です。

ところが、事前調査で「あなたはどのクラスに属すると思いますか?」と尋ねると、「自分たちは中間層に属すると思う」と回答していました。

実際の収入は少なく、収入を元にしたクラス区分ではDクラスに分類されるにもかかわらず、自分たちは「中間層」だと認識しています。なぜこうした収入実態と意識のギャップが生まれるのでしょうか。その答えのヒントを探るべく、この家庭を訪問したわけです。

家の中に入ってみると、クルマこそ保有していないものの、大型冷蔵庫や電子レンジ、WifiやiPadなどを保有しており、耐久財の保有状況としては、確かにローワークラスというより中間層と呼ぶほうがふさわしいような状況でした。彼らはどうやってこれらの耐久財を手にいれたのでしょうか。

続きはAgenda Noteのページへ