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ヒット習慣予報 vol.42 『デジタル デジタルデトックス』

2018.09.25
#トレンド

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの鈴木です。

突然ですが、みなさん一日どれくらいスマホやネットを見ていますか?このコラムも今まさにネットに接続をして、何かしらのデジタルデバイスでご覧いただいていると思いますが、私自身最近は本を読む時間よりも、人と会って話をする時間よりも、スマホやネットに触れている時間の方が長いのではということに気がつきました。

一日を振り返ってみても、仕事に向かう電車でもスマホ、仕事場に着いたらPC、帰る時もスマホ、時には食事中にもスマホをいじっていて、まさに「スマホ・デジタル・ネット依存」している状態です。周りを見渡してみても電車の中はスマホを見ている人ばかりで、これは自分だけの問題ではないのではとも思います。

そこで今回はこのデジタル・ネット時代に、どうしてもデジタルから離れられない私たちがうまくデジタルデトックスをする方法について考えたいと思います。そしてこのコラムでは、デジタルを使いながらにしてデジタルデトックスをするという荒技、「デジタル デジタルデトックス」についてご紹介したいと思います。

まず、「デジタルデトックス」という言葉はいつ頃から使われるようになったのでしょうか。いつものように「デジタルデトックス」というキーワードで調べてみました。

「デジタルデトックス」

出典:Googleトレンド

「デジタルデトックス」はスマートフォンの普及率が50%を突破したと報道されはじめた2014年頃から多くつぶやかれるようになっていて、今では多くの人の関心事になっているようです。

それではみなさん具体的にどのようなデジタルデトックスを実践しているのでしょうか。SNSや周りの人に聞いてみると、「キャンプに行ったので電波のない大自然の中デジタルデトックスができた!」「長時間の飛行機のフライトですっかりデジタルデトックスができた!」「携帯が壊れたのでしばらくネットが使えなかったが、逆に良い機会になった」等の声が見られました。共通しているのは、強制的にネット環境がない状況に身を置くことで、結果的にデジタルデトックスができたということのようです。

確かにこれらの方法は物理的に電波がないため非常に効果的です。ただし、なかなかそういった状況に身を置く機会もありません。かといって、意志薄弱な私には「今日一日は完全にデジタルに触れない!!」ということもできそうにありません。なんとか日常的にデジタルデトックスをする方法はないものか?意志薄弱な上にものぐさな私は悩みながらついついスマホで「デジタルデトックス やり方」と調べてしまい、デジタルデトックスできない無限ループにハマってしまっています。

そんな中、同僚から面白い話を聞きました。彼は普段仕事中に動画共有サイトで音楽を聴きながら仕事をしているのですが、音楽を聴きながらもちゃんと集中する時間も確保できるように、好きな音楽と音楽の間に敢えて無音をはさんで好みのプレイリストを作っているということでした。試しに動画共有サイトで「無音」で検索してみると、1分、4分、10分、1時間等様々なバリエーションの無音動画があり、自分が好きなバランスで音楽と無音を組み合わせられるようになっていました。本来は音楽を聴くための動画共有サイトに、敢えて無音をはさんで作業に集中する。そんな少し新しい形のデジタルデトックスが実践されていたのです。

厳密な意味では完全にデジタル機器から離れているわけではありませんが、出来る限りそれらに時間を奪われない・情報を過剰に取得しない、「デジタルを使いながらデジタルデトックスをする」方法について、他にもいくつか面白いものが見つかりました。

ひとつは、スマホやPCで「自然の動画」をぼんやり見て癒されるというものです。これは、焚き火がパチパチと音を立てながら燃える動画や、クラゲがぷかぷかと浮かぶ動画を楽しむというもの。動画を見るにしても、せめて自然なものを見てデジタルデトックスをするというやり方で、こういった類の動画は再生回数も多く、人気を集めています。動画に熱中してしまうことを防ぐという意味ではデジタルから半歩離れられているという意味で、このコラムではデジタルデトックス認定をしたいと思います。

また動画以外は、ゲーム感覚でデジタルデトックスができるアプリもありました。
あるアプリは、アプリ上で「森」を育てることを目的にしたゲーム。スマホを使わない時間を自分で設定し、その間スマホを使わなければ植物が成長するという仕様で、デジタルデトックスをすればするほど、植物が育ち森になっていくという、デジタルデトックスをサポートしてくれるゲームです。

このような、デジタルを活用しながらデジタルデトックスと同じような効果を得る、新発想の「デジタル デジタルデトックス」は、誰もがスマホやPCを持ち、いつでも電波につながる環境にある私たちが唯一デジタルから逃れることができる最終奥義なのかもしれません。

これまでのヒット習慣予報でもビジネスチャンスの例をいくつかご紹介しましたが、
「デジタル デジタルデトックス」にも色々なビジネスチャンスがあると考えます。

◎「デジタル デジタルデトックス」のビジネスチャンスの例
■水族館施設が、スマホで魚を擬似的に飼えるアプリを提供する。
■瞑想のための動画を作り、目を閉じることでデジタルデトックスをする。
■企業が、スマホに一定時間触れなければ割引クーポンがもらえるアプリを開発する。
など

意志薄弱な私でも取り入れられそうな「デジタル デジタルデトックス」ぜひ皆さんも生活に取り入れてみてください。

鈴木 康司(すずき・こうじ)
統合プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2007年 博報堂に入社。
ヒット商品やヒット習慣には飛びつかずにはいられない、ドミーハー。好きが高じて、ヒット商品やヒット習慣を生みだせると良いなと思い日々奮闘中。休日は家でアイドルのDVDを見るのが好き(主にジャニーズ)。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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