こんにちは。ヒット習慣メーカーズの栗田です。

先日、平昌オリンピック・パラリンピックが閉幕しましたね。ウィンタースポーツ好きの私にとっては、4年に一度のビッグイベントのため、テレビにかじりついて観ていました。そんな中、男子フィギュアスケートの羽生結弦選手や男子スノーボードハーフパイプの平野歩夢選手が試合前に聴いている音楽が話題になりましたね。音楽には精神力を高めたり、リラックスしたりする効果があるため、多くのスポーツ選手が試合前に音楽を聴く習慣を取り入れています。羽生選手もインタビューで「僕にとって、いい精神状態になるには音楽は不可欠」と言っていました。

ということで、ヒット習慣予報第17回のテーマは、そんな音楽の習慣に着目した「音楽がつなぐ食卓」です。音楽がつなぐ食卓とは、「食卓で音楽を楽しみ、つながる家族」という意味です。最近、音楽を通じて、家族をつなげようとするコンセプトのコンテンツやサービス、プロダクトが増えてきているため、今回テーマに取り上げてみることにしました。

まずは、音楽がつなぐ食卓に着目した根拠として、具体的にどのようなコンテンツ、サービス、プロダクトがあるのか、いくつか例を挙げてみたいと思います。

・音楽と家族がテーマのアニメーション映画が、幅広い世代で話題になっている。
・新発売されるスマートスピーカーが、家族での音楽の楽しみ方を再発明というコンセプトになっている。
・音楽のサブスクリプションサービスに家族で楽しむプレイリストが増えている。
プレイリスト例:「家族みんなで楽しむポップ」、「家族で楽しむジャズ」、「家族でうたうクリスマス」など

また、ソーシャルリスニングで生活者の声を見てみると、「新居に移ってから食卓で音楽やラジオを聴くようになった。」、「我が家の食卓の今週のBGMはクリスマスソングオンパレード。」、「スマートスピーカーを買ってから、食卓で音楽を聴くようになった。」など、ライフステージの変化や、季節、スマートスピーカーの影響によって、食卓で音楽を楽しみはじめた家族の姿が見受けられました。

ではなぜ、音楽がつなぐ食卓の動きが増えているのでしょうか?昔と今の、音楽と家族の関わりから、私なりに考察をしてみました。

昔は、家のリビングにステレオコンポがあって、自然と家族みんなで同じ音楽を聴いていたように思います。そして、子供たちは、その音楽を通じて、お父さん、お母さんが好きな音楽というのを肌で感じていましたよね。我が家でも、両親が好きなアーティストのポップスがいつも流れていたので、その時聴いていた音楽が、今でも私のアイデンティティだったりします。

しかし、今はどうでしょう。ポータブルの音楽再生プレイヤーが普及し、さらには、スマホで音楽が聴けるようになり、音楽は、個人で楽しむ機会が増えたように思います。また、ネットの普及によって、家族がリビングに集まったり、直接会話をしたりする時間は減っていますし、たとえ家族が集まったとしても、子供がスマホに夢中になっていたりしますよね(自分も含めてですが)。

そんな風に、昔と今の、音楽と家族の関わりの変化に気づいた人々が、「あらためて家族で、音楽を楽しみませんか?」「音楽を通じて家族とつながりませんか?」というメッセージを込めて、今回のようなコンセプトのコンテンツやサービス、プロダクトを発信しているのではないかと思います。

そして、音楽で家族のつながりをつくる場所として「食卓」が選ばれている理由としては、「家族みんなで集まって食べるご飯はおいしい」「好きな音楽を聴きながら食べるご飯はおいしい」と言われることがあるように、音楽で家族のつながりをつくりつつ、「食事までも楽しくしてしまおう」というねらいがあるのではないでしょうか。

また、すでにみなさんもご存知かもしれませんが、上記の理由以外にも、子供の知育、教育的観点から、食卓で音楽を流し、家族で一緒に音楽を楽しむという習慣が増えています。食卓で子供に音楽を聴かせることで、言語を理解する能力が高くなったり、感情知能と人間性知能が高くなったりするなどの効果があるようです。

最後に、音楽が家族間の人間関係に与える影響について少し調べてみたのですが、音楽をかけている家族は、そうでない家族よりも、「物理的に近くにいる」「家族で一緒に食事をする回数が多い」「ダイニングルームで過ごす時間が長い」などの効果があるようです。このことからも、「音楽は家族との強いつながりをつくる」ということがわかりますね。

ということで、「音楽がつなぐ食卓」はこれからヒット習慣になる可能性があると思い、いろいろなカテゴリーでのビジネスチャンスを考えてみました。

「音楽がつなぐ食卓」から想定するビジネスチャンスの例
■ 食品メーカーやレシピサイトが、音楽を聴きながら食べるレシピを開発する。
■ 外食チェーンなどが、音楽を楽しむレストランをオープンする。
■ TV局やラジオ局などが、家族で楽しめる音楽番組をつくる。
など

最近は、車で出かける時(ドライブ中)くらいでしか、家族(父・母)と一緒に音楽を楽しむ機会がないため、実家に帰った時は、私もぜひ実践してみたいなと思います。また、自宅で活用しきれていないスマートスピーカーも、家族で音楽を聴くきっかけとしてうまく役立てたいなと思います。

栗田 昌平(くりた・しょうへい)
アクティベーション企画局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

インタラクティブプランナーとして、データやテクノロジーを活用したデジタルアクティベーション企画を考える仕事をしています。髪は長め。おなか弱め。谷中生姜とジャニーズが好き。ほぼ毎日キングダムを読んでいます。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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