こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。

第一回のコラムで「木曜日のちょい飲み」という記事を書いたのですが、先日職場の同僚と木曜日にうっかり3軒もはしご酒をしてしまいました。帰宅後、妻から「それじゃあ、木曜日のがぶ飲みじゃないの」と苦笑されまして、有言実行の難しさを痛感した次第です。

さて、今回のテーマは打って変わって「ビジネスミニマリスト」です。

ミニマリストという言葉が数年前から言われ始めました。余計なものを持たず、必要最小限で生活する人たちのことをそう呼びます。Googleトレンドで見ても、ここ数年で一気に検索数が増えているのがわかります。テレビ番組で6畳のワンルームにマットレスだけが小さく畳まれている人を取材していて、とても驚きました。そんなミニマリストの流れが、働くシーンの中でも浸透しているという話です。

※Googleトレンドより

このビジネスミニマリストの流れ、いくつかの傾向が見られます。

まずは、「仕事着の制服化」。
あのスティーブジョブスが実践していたものです。かつては、そういう人は稀有な存在でしたが、弊社を眺めているだけでもそういう人が増えている実感があります(弊社はもともと変わった服装の人が多い傾向はあるかもしれませんが・・・)。全く同じ黒のスーツ上下に白シャツを毎日着てくる人。上下青い服を着続ける人。白シャツとチノパンを貫く人。今回、その中の一人に理由を聞いてみると、「服を着るときも、買うときも、判断が減るから楽」とのこと。たしかに気持ちはわかりますね。

次に、「手ぶら、もしくは荷物のミニマム化」。
実は、これも周囲でよく見かけるんです。目立つのは、やはり手ぶら通勤をする人。私の元上司は10年以上前から手ぶら派で、打合せに行くときも、プレゼンに行くときも、常に手ぶらでした。いまはそんな手ぶら派は珍しくなく、聞くと「スマホがあるから、手帳も書類も本も必要ないし、カバンがいらない」のだとか。また、収納力のあるカバンやノート型の四角い水筒が話題になったりと、荷物のコンパクト化もトレンドですね。

「クリアデスクの徹底」も進んできました。
これは実は私自身がそうでして、数年前から、書類はなるべく処分しますし、デスクはほとんどものを置かないスタイルにしました。そうすることで、すっきりした気持ちが保てて、ストレスが減った気がします。忙しいときほど、帰宅する前にデスクを綺麗にしてから帰るようにしています。会社によってはフリーアドレス制で、固有のデスクを持たない会社も増えていますよね。

まだまだ続きます。「超短文メール」。
メールを業務で使うのがもはや当たり前になってきましたが、言いたいことをテンコ盛りにして長いメールを送るのは、送る側も大変ですし、読む側も骨が折れます。そのように思う人が多いのか、極力メールをシンプルに送る人が増えているように感じます。親しい仲であれば「お疲れ様です。」などの枕詞も削って、要件を一行で送るケースも。「SNSの影響もあるのかも」との声も聞かれました。コミュニケーションの効率化は業務効率化につながるのでいいことですが、相手もあることですから、失礼のないようにミニマム化したいところですね。

最後に、「仕事を断る」。
いろんな仕事をやってみたくはなるものの、キチンと断る勇気も必要だと最近思います。メンバーの中にも「自分だからできる仕事を選ぶ」ことで、業務効率とやりがいを高めている人がいました。ある調査によると、今の大学生は「残業してトップの成績をおさめる人より、残業しないほう人の方がかっこいい」と感じるのだとか。時代がどんどん変わりつつありますね。

なぜ、ビジネスミニマリストの流れは拡がりつつあるのでしょうか。
やはり、働き方改革の影響は大きいですね。業務効率化ってそう簡単ではないですが、ひとりひとりが工夫を凝らした結果、仕事環境が激変しているのでしょう。
さらには、マインドフルネスの影響もあると思います。マインドフルネスは、「今に集中する心のあり方」。情報も物も溢れ、考えなくてはいけないことや判断を求められる機会が増えていると思いますが、それに流されず自分らしい正しい思考力や判断力を保つために自分の周辺環境をシンプルにすることが求められているのかもしれません。

今回ご紹介したビジネスミニマリストは、かなりビジネスチャンスにあふれていると思います。

「ビジネスミニマリスト」のビジネスチャンスの例
■ 仕事着の制服化を狙った、同じスタイルの継続購入・レンタルサービス。
■ 手ぶらで通勤したい人のための通勤電車内の本や雑誌のレンタルサービス。
■ オフィスで朝食をとりたい人の宅配サービス・定額チケットサービス。
など。

私は、会社のデスクは綺麗なのですが、自宅が一向に片づきません。週末に向けて今週こそはと思うのですが、結局後回しになってしまいます。今年こそは、すっきりとした自宅環境にしたいものです。

中川悠(なかがわ・ゆう)
統合プラニング局チームリーダー
ヒット習慣メーカーズ リーダー

メーカーの商品開発職を経て、2008年に博報堂中途入社。
マーケティング職として、日々お得意先や社会の課題に向き合っている。飲みながらいろんな業界の人と話をするのが好きだが、気づくとお酒に飲まれている。好きな落語家は五街道雲助師匠。

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モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
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