こんにちは。ヒット習慣メーカーズの米岡です。
2018年最初のコラムを担当します。

私自身は会社の中では「データ」や「デジタル」に携わっており、 “ヒット習慣メーカーズ”ではヒット習慣の発見する仕組みの開発に取り組んでいます。発見した習慣をコラムで紹介する、という仕事は普段とは違う頭の使い方をするため、僕にとっても非常に良い刺激になっています。それでは、張り切って行きます!

突然ですが、午後3時の居酒屋にはどんな人がいると思いますか?
ヒット習慣予報の第6回のテーマは「午後3時の居酒屋」です。そこにいる実に意外な
人達にフォーカスを当てながら、2018年に広がっていきそうな“習慣”について考察していきたいと思います。

「午後3時の居酒屋」にいる意外な人達、とは女子高生です。もちろん、女子高生が行くことの出来る居酒屋は特定のチェーンに限られているようですが、2017年にはInstagramに、居酒屋でPhotoをアップする女子高生が続出しました。※もちろん、飲酒なんてしていませんし、お店側もお酒なんて出していません。飲み物はソフトドリンクです。

彼女たちのハッシュタグを見れば、その気分が見えてくるかもしれません。
少し見てみましょう。

「#クラス会」「#サプライズ」「#食べ過ぎた」「#でぶかつ」「#JK」「#FJK」

■「#クラス会」や「#サプライズ」は居酒屋が彼女たちのイベント毎に使われている事を示しています。大勢入れて、しかもはしゃぐことも出来る。考えてみればぴったりです。

■「#食べ過ぎた」「#でぶかつ」はストレートに食欲です。居酒屋のいいところは、大勢で行って色んなものを食べられる事。いっぱい食べたい!気分の時に使われています。ちなみに「でぶかつ」とはデブになる活動の事で、食べ放題などに行く際に良く使われているハッシュタグです。

■「#JK」「#FJK」は彼女たちにとって居酒屋に行く行為そのものが、少し背伸びしている感覚であることを象徴しているのではないでしょうか。女子大生になった先輩やあこがれの読者モデルがInstagramにあげていた居酒屋に自分も行ってみることで、テンションがあがるみたいです。「#FJK」は高校一年生を表しています。ちょっと前まで中学生だった彼女たちが居酒屋に行く事は、大人の階段を上っているような感覚があるのかもしれません。

高校生である時間はわずか3年間しかありませんが、感性も豊かで好奇心も旺盛な年齢だからこそ、新しいものを見つけ、取り入れ、楽しんでいます。とりわけ女子にその傾向が顕著で
す。いわば「流行」を生み出し、消費する存在です。流行を消費するのが彼女たちJKの「習慣」であるとも言えます。それが加速したのが2017年。「インスタ映え」という言葉に象徴されるように食べ物やお店が瞬く間にシェアされブームになりました。2018年もSNSというプラットフォーム上で色々な流行が消費されてゆく、その傾向は継続すると考えます。

でも、女子高生が居酒屋に行く事は習慣化するかもしれません。「いっぱい食べられる」「はしゃぐことが出来る」ことは普遍的な価値であると思いますし、「お酒を飲む前提では無い場所」としてのパーセプションが広がるにつれ、高校生との親和性も高くなる可能性があるからです。
今は女子が中心ですが、男子高校生にも広がってゆくのではないかと思います。

一方、お店側にとってもプラスが大きいと考えられます。ランチタイムに営業したとしても、15時頃がアイドルタイムになってしまう。そこを今まで決して居酒屋には来なかった客層で埋めることができたら、お店にとってはデッドスペースならぬ“アイドルタイム”の有効活用、という経営的に大きな効果があると言えます。

アイドル「タイム」や「スペース」を抱えている業態は他にもあると思います。そんな時間や空間を活用することを起点に発想すれば、新しい顧客を呼び込めるかもしれません。

「午後3時の居酒屋」から発想したビジネスチャンスの例
■ 平日の午後と夕方限定の、大学生・高校生のスポーツジム「放課後割り」
■ Wifi完備、充電フリーの休憩スペース
学生限定「一休み@自動車ディーラー」開設
■ (高校近隣のサービス業店などで)高校3年間のお買い物金額に応じて、卒業時に
破格のプレゼントがもらえる「高校生専用ポイントプログラム」 など

僕自身は往復2時間の通勤時間が、“アイドルタイム”化しています。
2018年はこのアイドルタイムをむしろコアタイムとして活用出来るよう色々チャレンジしてみようと思います。

米岡励(よねおか・れい)
研究開発局 主席研究員
ヒット習慣メーカーズ メンバー

購買データを始めとした生活者データの開発、分析に取り組んでいる。美味しいもの大好き。人生で1食も無駄にしたく無い人。カシミールカレーLOVE。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

<バックナンバー>
vol.5『人間味ファースト』
vol.4『平日夜の週末化』
vol.3『朝たんぱく食』
vol.2『カラ―トリップ(色起点の旅行)』
vol.1『木曜日のちょい飲み』