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こそだて家族研究所こそだデータ・トーク第7回 / その休日はあなたにとって“休日”ですか!?子育て世帯の休日事情

2017.12.15
#こそだて研#生活者調査
「こそだデータ・トーク」は、博報堂こそだて家族研究所による、子育て家族にまつわる調査データ(こそだデータ)を起点に、研究員が様々な視点を持ち寄って語り合うコーナーです。

【進行:中西孝穂研究員】それでは早速「こそだデータ・トーク」を初めていきます!
今回のテーマは 「その休日はあなたにとって“休日”ですか!? 子育て世帯の休日事情」です。

“世の一般論”として休日は楽しく安らぐ時間・・・と言われてますが、その実態はどうなのか?
最も多忙な子育て世代に見る「十人十色の休日観」を、まさに異なる意識を持つ二人に、語っていただきます。

それでは、最初のこそだデータはこちら!

Pick UPこそだデータ① 『普段の休日の過ごし方』

(topics)
■「家族全員一緒に過ごす」家族が60.0%。
■パパが1人の時間を作れる事が多い家族が17.3%に対し、ママが1人の時間を作れる事が多い家族はわずか3.5%に。
■子どもが小学校高学年以上になると「家族全員で過ごす」半数以下に落ち着き、その分「家族全員別々に過ごす」や、「夫婦の時間を作れる」が増加。
■中でも保育園ママでは「ママが1人の時間を作れる事が多い」が0%という結果に!。
■逆に、「パパが1人の時間を作れる事が多い」は19.7%と、全体平均より高い結果に。

【休日に悩む2児のママ 牧研究員】
実は、この調査は私が設計しました。純粋に子育て世帯はどんな休日観を持っているのか個人的興味があり。想定通りだったり意外だったり、なかなか面白いデータがとれたんじゃないかと思います。

まず一つ目の結果ですね。普段の休日の過ごし方ですが、「家族全員で過ごすことが多い」という人が60%というのは、想定より多いというのが実感です。

一方で、「家族全員が別々に過ごす」が小学校中学年から二桁台になり、一気に増えてますね。子どもが大きくなるにつれて、家族がばらばらで過ごすことが増えるというのはよくわかります。さらには、子どもが中学生以上になると、3割近くがそう答えてます。
小学校から中学校に進学するタイミングで、子育てもひと段落、親も自分の自由に過ごせる時間が増えてくるのでしょうか。

【子育てに励む3児のパパ 古田研究員】
本当にデータでみると顕著に表れてますね。「家族とバラバラで過ごすことが多い」だけじゃなくて、「子どもが習い事などに行き夫婦の時間が作れることが多い」も小学生高学年ぐらいから増えているので、これぐらいから子どもは子どもの生活パターンができて、部活や塾、友達と遊ぶようになっているみたいですね。

ちなみに、「家族全員でバラバラに過ごすことが多い」という回答が、小学生低学年未満の子どもがいる家族でも少ないながらいますね(こども園9.5%、幼稚園6.7%)。休日はおじいちゃんやおばあちゃんと過ごしているということなのかな?どういう休日オペレーションなのかちょっと気になりました。

【牧研究員】
たしかに。ちなみにうちの場合は、隣の家のおばあちゃん(他人)の家に子どもたちが吸い込まれて、2時間くらい費やしてくれることが多く、父母はそれぞれ仕事したりしています。隣のおばあちゃんさまさまです。

それと、今年度から毎週土曜日、半日長女が習い事で外にいるようになったので、週末がかなり楽になりました。昼過ぎのちょうど下の子のお昼寝時間とも重なっていて、最近はその2~3時間が私のゴールデンタイムになっています。

【古田研究員】
うちも土日は下の子二人は習い事をいれてますね。習い事には私が連れ出して、残った上の子を妻が見ている、または遊びに連れていくという感じが主ですね。「数チームに分かれて過ごすことが多い」という人が子どもの年齢に関わらず1.2%と低いというのは、昨今、子どもが1人という家庭が多いということなのでしょうか。
うちは子ども3人なので「数チームで分かれて過ごすことが多い」、「家族全員が一緒に過ごすことが多い」、「ママが一人の時間が作れることが多い」の順で休日をこなしている感じです。

あと、牧さんの“ゴールデンタイム”はわかりますね。私も一人の時間が欲しい時もあります。ただ、家に居る時は子ども達だけで上手に遊んでいるので、隣でインターネットを見たり、本を読んだり、だらだらとはできているので、“シルバータイム”くらいにはなってるかな(笑)

【進行】“ゴールデンタイム”やら“シルバータイム”やら、そんなワードがでてきましたが、「ママ・パパの一人の時間」についてもう少し聞かせてもらえますか?

【古田研究員】
「ママが1人の時間を作れることが多い」が3.5%、「パパが一人の時間を作れることが多い」が17.3%は、実感とそれなりに合っている気がしますね。一方で、保育園ママの「ママが一人の時間を作れることが多い」が0%はちょっと驚きました。低い・・・。
父親の私なりに考えてみると、パパとしては乳幼児とお出かけするときの子どものトイレ事情や着替えを考えると、父子のお出かけが少ないのは仕方がない面もあるかなと。
休日に外に出かけても、男性トイレにオムツ台がなかったり、個室が狭かったり、最近は改善されてきていますけど、パパが子どもの世話をするのに環境面が追いついていないと思います。特に女の子だと・・・女子トイレの前でパパが待っていると変な目で見られますしね・・・。まあ、それが言い訳になっている面もあると思いますけど。
今は、一番下の子も一人でトイレに行けるようになり、服を汚すことも減ってきたので、私と子どもだけで外出して不便を感じることは少ないですが、数年前、入った飲食店で女性トイレにしかオムツ台がなく腹が立った記憶があります。

【進行】乳幼児の父子のお出かけ事情は確かにあるようですね。また、保育園ママ(働くママ)が「ママ1人の時間を作れる0%」には、ママも子どもも、平日のふれあいが足りない分だけピュアに「一緒に過ごしたい」と思っているってこともあるかも知れません。

 さて、それでは次のデータ。

Pick UPこそだデータ② 『子どもの休みの過ごし方』

(topics)
・「子どもが好きなことをさせたい」が61.5%とトップに。
・子どもの休みの日は「パパとたくさん遊ばせたい」が35.8%。「友達とたくさん遊ばせたい」13.3%を大幅に上回る。
・「ママやパパも楽しみたい」も41.0%で3番目に高い。
・こどもとのおでかけ先のトップは「大型のショッピング・モール」で63%。

【古田研究員】
「子どもに好きなことをさせたい(61.5%)」が一番多いんですね。「子どものため」という意識をしないと、せっかくどこかに連れて行っても文句しか言わないからということの裏返しかと勘繰ってしまいますね。また、キャンプ場やショッピングセンターを見ていると親子で楽しんでいる人を良く見かけるようになったので、「子どもだけでなく、パパとママも楽しみたい(41.0%)」という人が多いのは納得です。

ちなみに、うちの場合ですが。休日は、子どもの習い事の送り迎えでほぼ終わってしまい、あとは平日できない片付けや学校行事(3人いると、月に1回はなんだかんだと・・・)で埋まり、空いた時間で公園やショッピングセンターというのが通常でしょうかね。牧さんも2人だと同じ感じかな?

連休や習い事の休みがあると、春・夏はキャンプに行ったり、花火やお祭りに行ったり、博物館に行ったり、少し遠くの大きめの公園に行ったり、子ども向けイベントに行ったりと、「子どものため」と 「パパとママも楽しむ」も半々ぐらいで行動しています。

【牧研究員】
我が家も、学校行事やら保育園行事やら地域行事やら、土日になると色々ありますね。
ちなみに、今回1位だった「子どもの好きなことをさせたい」に関して。うちはこの意識が薄いので、反省しています。たまった掃除や買い出しなど、平日おろそかになっていたことや、翌週への備え、行事や、習い事の送り迎え、病院、自転車修理などなど・・・やらねばならない事をやっていると、特に何をしなくても週末が終わってしまいます。よほどの事がないと、遠出はしないですね。
また、子どもによかれと思って遠くまで連れて行っても、子どもの反応が近所の公園に行った時と大体同じか、なんなら近所の公園の方が楽しそうだったりするので(笑)。特にうちの子は車酔いが激しくて、車に乗ってる間は叫んでいるか泣いているか、吐いているかなので、車での移動が本人にとっても親にとっても強烈なストレスになります。
電車は電車で、乗った瞬間に「何か食べたい~」と「次降りたい~」が始まるので…。もう最近は自転車で行ける範囲ですね、週末の移動距離は。

【古田研究員】
なるほどー。子どもとの移動は色々障害ありますよね。うちの場合、とりあえず男の子に関しては電車に乗せたり見せておけば、それなりに満足するので、電車を絡めると鉄板だったりします。パパもそれなりに楽しめますしね。

【牧研究員】
もう一つ、データで面白かったのは、休日のおでかけ先として「ショッピングセンター」というのが一番多かったこと。個人的にとても印象的でした。家族みんなで過ごし、子どもが好きなことをさせたいけど、パパやママも楽しみたいという今時のファミリーにとって、誰もがちょうどよく楽しめて、週末の買いだめなどもできて、と一石二鳥どころか一石三鳥なお出かけ先が、ショッピングセンターなんだな、と思いました。
実際、週末のショッピングセンターはファミリーでおおにぎわいですよね。

【古田研究員】
うちも、出かける先がなくなるとショッピングセンターに逃げ込みますね。近所に大きいのがあるので、定番のお出かけ先になってます。
私は地方から出てきたので、都会は色々とイベントや遊ぶ場所も多いと思いましたが、どこに行ってもお金がかかるのと、意外と雨の時にはショッピングセンターくらいしか楽しめる場所がないのが悩みです。

【進行】家族全員がWIN-WINなショッピングセンターは、行き場所をなくした週末家族の救いの場所だったりするのでしょうか?

それでは、最後のデータはこちら。

Pick UPこそだデータ③ 『休日の存在』

(TOPICS)
・普段の休日が楽しみ(とても楽しみ+やや楽しみ)なママは64.7%。休日はパパが一緒にいることで「平日ワンオペ育児」からの解放、「仕事と家事・育児で忙しい時間」からの解放がその理由。
・休日が憂うつ(やや憂うつ+とても憂うつ)なママは11.1%。「三食の支度」や「夫の世話」など普段より負担が増える事が理由。

【牧研究員】
「休日の存在」。このデータは今回調査しようと思ったきっかけのデータだったりします。休日って一般的に楽しい日だと思われてるけど、実際はどうなんだ!?という発想。
結果として、専業主婦の方の「休日は憂うつ(やや憂うつ+とても憂うつ)(14.0%)」が高かったのが印象的でした。平日子どもが幼稚園などに通い始めれば、自分の時間があるからなのでしょうか。休日といっても、親業は休める訳でもないですし、平日以上に自分のペースでは動けないので、それが憂うつの要因なのかもしれません。
「三食作るのが面倒」というのも、よくわかります。私も休日に限らずですが、「いかにサボるか」しか考えてないですね(笑)。働いてるママの家庭と家族ぐるみで出かける時などは、「弁当とか作らない・・・よね?」と確認しあい、今では暗黙の了解的に、食は現地調達となっています。

【古田研究員】
牧さんの指摘通り、専業主婦の方は全体から見ると憂うつ度が高いようですね。私は、どちらかというと全体の「休日が憂うつ(やや憂うつ+とても憂うつ)(11.1%)」が意外と少ないなという印象が先に立ちました。
憂鬱なママがもっと多いのかと思ってました。
コメントを見ると、「平日はワンオペ育児だけど、休日はパパがいるから気持ち的に楽」などあるように、最近のパパはそれなりにがんばっている(と思ってもらえている)ということでしょうか。

働いているママのコメントで「平日の忙しさから解放される」は、父親の私もとても共感できます。特に小学校は朝が早いので、たたき起して、朝ごはんを食べさせて、時間までに登校させる、と毎朝バタバタしますからね。保育園に比べて平日イベントも多いですしね。

【牧研究員】
最後にですが、最近、働き方改革の中で「余暇の過ごし方が課題」という話題を耳にしますが、こそだて家族にとっては余暇がいくらあっても足りないのではないでしょうか。掃除・洗濯・買出しなどやらねばならない事、子どもの学校行事や保育園行事、習い事行事に地域行事、自分がやりたい事、子どもとやりたい事、行きたい場所、遊びたい人・・・と、時間はいくらあっても足りません。
休日と言っても「休む日」ではないですね。
子どもができてから、1週間が1日、1年が1ヶ月くらいの感覚で時が過ぎています。

そういえば!そんな私にとって年に1度本当の休日、「お正月」がまもなくやってきます!三が日は祖父母宅で過ごし、義母の手料理に甘えてだらりとしています。この3日間が一年で唯一、母の休日かもしれません。義母は孫が大量に押しかけて大変だと思いますが(笑)。

【古田研究員】
わたしは、とある役所から出向でこちらで働かせてもらっていて、妻も役所勤めなのですが、前の職場は日常的に残業が多い部署にいたこともあり、平日は妻に相当負担をかけ、休日は今度は私が子どもの世話でと、夫婦にとって大きな負担がありました。ですが、今の職場(博報堂)では、ワークライフバランスを心がけて勤務させてもらっており、職場自体に休みがとりやすい雰囲気もあるので、休日はその名の通りちゃんと“休めている”かなあと思っています。
まあ、本当は一日中ゴロゴロして、ゲームや漫画に時間を費やしたいとも思っていますが(笑)、平日ほど時間に追われないというだけでも、休日は貴重な日です。週に3日休日があると妻と交代で好きなこともできそうで、ちょうどいいなと思いますが。
しかし、そろそろ年賀状や大掃除の準備をしないと!・・・休みが潰れる(笑)。

【進行】平日の働き方を変えるだけでなく、牧さんが言うように、「余暇の過ごし方・余暇の取り方」に関しても、夫婦間だったり、会社とだったり、互いが納得できるような柔軟な選択肢が増えるといいですよね。博報堂でも意識している社員が増えている気がします。
霞が関から来ていただいている古田さんが、「博報堂でワークライフバランス」を実践されていることに背中を押してもらいつつ、今回のこそだデータ・トークはこれにて終了!

※調査概要>
調査手法:ママスタジアムでのインターネット調査
対象者:ママスタジアムユーザー(子育て中の女性) n=405 名
(ママの職業 専業主婦:164 名、パート:129 名、フルタイム:59 名、産休・育休中:40 名、その他:13 人)
対象地域:全国
調査時期:2017年5月29日~2017年6月9日

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