いまや「玉の輿婚」や「三高」はおとぎ話

こんにちは、キャリジョ研です。
今回のテーマは「恋愛と結婚」。ちょっと下世話で、ちょっと気になる話。
まずは、時をさかのぼり、バブルの時代。女性たちが結婚相手に求める条件として「三高」という言葉が持てはやされておりました。三高とはご存じ「高学歴、高収入、高身長」。国民全体が上を目指している時代に、すこしでも良い暮らしをしたいし、見栄も張りたかった。「玉の輿」とか「白馬の王子様」というのもこの発想。女性たちは、自分より‘上の男性’と‘上の生活’を求めていたのであります。

時は流れて現代。女性たちが求めるのは「三平」。それが意味するところは「平均的な年収・平凡な外見・平穏な性格」。さらに進んで「四低」といって「低姿勢、低依存、低リスク、低燃費」という言い方をする人もいるそうで。威張らず、家事を女性に頼らず、安定した収入があり、節約ができる男性が求められる。そんなご時世なのであります。

これを読んでいる大人のみなさんは「いまどきの若いモンは夢がないなぁ」と思うかもしれません。しかし今や男性と同等に働く女性も増え、同等の収入を得る場合もあり、逆にいうと、男性だからといってお給料が高いとは限らない。お見合い結婚は減り、身近で出会った彼氏とそのまま恋愛結婚へとつながっていくことも多い。
だから、まだ見ぬ結婚相手に、いまの生活をガラリと良くしてもらおうだなんて、そんな虫のいい話は求めません。他力本願ではなく、現実主義。「恋愛は恋愛、結婚は結婚」と分けて考えるのではなく、「結婚は恋愛の延長」。価値観の合わない金持ちをあてもなく探してさまようよりも、いま身近にいる気の合う彼氏と安定した結婚生活をできるのが幸せ。王子様ではなく、安定した生活を送るための「パートナー」を求めている。そして、それは若い子ほどその傾向が強い。
20代のほうがまだ結婚は先のことで、30代のほうが「すぐ結婚したいから、今の彼氏とすぐ結婚したいはず」と思うかもしれませんが、そんなことはなく、データをみると、20代のほうが「いまの彼氏と結婚したい」という現実志向が強い。この理由は、以前のコラム「働く女子のホンネ vol.2 世代論」にあるように、20代が「ドローン世代」や「波止場世代」で、現実的な考え方を持つ世代だからという理由も影響しているのではないでしょうか。

「モテ」から「いいね」へ。女性らしさよりも、男女共感型へ。

2006年頃の雑誌で流行っていた「モテ系OL」。これは、男性にモテるファッションをして、女子力を高めて、イイ男性にモテることが目的でした。がしかし、いまの時代は、自分から狩りにいかない「草食系男子」は多いし、そもそも高収入男子なんてそんなにゴロゴロいるわけじゃない。いくらモテ系ファッションをしても、思っていたような「玉の輿婚」には結びつかないことに、女性たちは気付いたわけで、このモテファッションは時代と共にブームは去っていきました。

ファッションのトレンドはどんどん変化していますが、ここ数年のファッションはカジュアル化傾向が続いています。具体的にいうと、スカートやハイヒールといった「女性らしさ」を強調するファッションよりも、スニーカーやリュックなど「男性にも共感されるカジュアルなファッション」が定番に。そしてファッションだけではなく、趣味や性格としても同じことが言えます。「女性らしい」「女子力」だけを強調するよりも、「一人でも牛丼を食べにいく」「電車が好き」「カメラが好き」など、男性っぽさや、オタクっぽさがあるほうが、男性からみても共通点を見つけやすく、話しかけやすい。
そして、SNS上では、少しでも多くのひとに共感されるほうが、ちゃんと「いいね」をもらえる。みんなに共感される女性こそ、身近な男性に好かれて、安定した生活が待っている。特定の男性への「モテ」よりも、みんなに好かれて「いいね」と言われる女性。それがなりたい女性像だったりする。SNSを特に使いこなしている20代のほうが、その傾向は顕著です。

「合コン」から「マッチング・アプリ」へ。婚活の「効率化」がしたい

さて、OLやサラリーマンが出会いを求め、夜な夜な繰り広げられる飲み会といえば、「合コン」。しかし、この男女の出会いの場も、ここ最近で変化が起こっています。

SNSで人間関係がつながる今、SNSを使って男女のマッチングを行い、男女の出会いを提供する「恋愛アプリ」「婚活アプリ」は、20代を中心にどんどん広がっています。これらのアプリを利用している女性たちいわく、「合コンよりも、アプリの方が効率的」「合コンは時間の無駄」とのこと。

合コンでの出会いは、会社名や学歴などの「肩書き」の紹介から始まることも多いようですが、婚活アプリは肩書きよりも、生活を見ることから始まります。FacebookやInstagramで相手を検索すれば、相手がどんな生活を送っているのか、どんな趣味なのか、どんな友達がいるのか、相手のライフスタイルを出会う前から知ることができる。だから、自分と気が合いそうな相手なのかが大体分かる。
さらに、合コンは2~3時間をつかって3~4名の異性しか出会えないが、婚活アプリならたったの数分で、どんどん相手の写真がでてくるので、何十人という異性を見ていくことができる。これぞ、出会いの「時短」であります。
もちろん、恋愛自体を短縮したいわけではありません。恋愛ドラマのようなキュンキュンする瞬間とか、ドキドキする瞬間とかは楽しみたい。でも、そこに至るまでの「出会い」というステップは効率化していきたいのです。だって、効率化できるデジタルの手段がそこにあるのだから。

結婚式は、仕事と思えばうまくいく

さらに、結婚式にも現代ならではの変化が起きています。昔のように、親が決めた結婚式をするわけではなく、自分たちで決める時代。それも、ホテルや式場が用意してくれるものに全てを委ねるのではなく、自分たちならではのオリジナルの結婚式やパーティを企画する人も多いようです。
オリジナルなパーティにしたい。その理由としては、家族や友人たちへの感謝の気持ちを表現したいという気持ちや、みんなに写真を撮ってもらえるような演出をして「SNSで自慢したい」という気持ちも見え隠れしています。
そうやってオリジナリティを追求するほどに、結婚式の企画や準備は本当に大変。いろいろなアイデアを出し、各所を調整し、実現にむけてスケジュールと予算をつめて、リーダーシップを発揮せねばならない。しかしそこは、いまどきの働く女性たち。普段から仕事を進めている要領で、ガツガツ進めて行くことができる。だから、結婚式は、仕事だと思えばうまくいく。新郎新婦が力を合わせてプロジェクトリーダーとして進めていく。

いまどきの恋愛・結婚。いかがでしたでしょうか。
働く女性が増えているという環境や、SNSというツールの存在も手伝って、どんどん変化が起きているテーマ。広告やマーケティングのヒントとしても、ご自分の恋愛・結婚のヒントとしても、ぜひ参考にしてみてください。

瀧川千智(たきがわ・ちさと)
博報堂DYメディアパートナーズ 雑誌局
キャリジョ研 研究員

2005年博報堂入社。マーケティング職を8年経験したのち、博報堂DYメディアパートナーズの雑誌局へ。女性プロジェクト「キャリジョ研」のメンバー。好きな科目は日本史、好きな食べ物は漬け物、好きなニュースは芸能情報。

【調査概要】
●2017年 働く女性意識調査
実施時期:2017年2月
調査方法:インターネットリサーチ
対象者:23~39歳の有職女性 437人
※総合・専門・一般や派遣などは問わず。パート・アルバイト、自営業・フリーランスは除く
※未既婚は問わないが、子どもがいない方を抽出
※個人年収が300万円以上
対象エリア:東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・神戸・広島・福岡

★バックナンバー★
働く女子のホンネ vol.1 / OLの終焉?!
働く女子のホンネ vol.2 /世代論
働く女子のホンネ vol.3 / クロスジェネレーション女子会
働く女子のホンネ vol.4 / キャリジョとSNS