深谷 信介
スマート×都市デザイン研究所長 / 博報堂ブランドデザイン副代表 / 博報堂ソーシャルデザイン副代表

地域は、ほんとうに宝の山。
ビックデータに格納されないアナログな資産が、静かに確かに眠っています。

人口3,300人、山あいの小さな小さなまち日野町は、いまから100年ほど前まで日本中を牽引していた、賑わい豊かなところでした。

たたら製鉄ってご存知ですか?
古来から独自の製鉄技術(和鉄)を磨いてきた日本は、伯耆(ほうき)・出雲(いずも)の国<中国地方>を中心に鉄づくりのまちとして繁栄を極めました。日々のくらしを支える農機具を作る鉄から日本刀製作にかかせない玉鋼(たまはがね)まで、あらゆる鉄の原材料を生産加工し、日本中そして世界を支えてきた、そんな地域です。この鉄があったからこそ、野良仕事は格段にラクに効率的になり米や野菜などの収穫高があがり、荒れた大地を丘陵の斜面を、田畑に広げていくことができたのです。
村下(むらげ)と呼ばれる鉄づくり技術者の長の下、山から砂鉄を掘り、木を切り木炭をつくり、三日三晩火を起こし、眠るコトなく鉄をつくる。
数メートルにもたち昇る火を扱う鉄づくりは、危険と背中合わせのまさに超重労働。火加減1つでできあがる鉄の良し悪しが決まる厳しい作業です。
鉄づくりで日本を支えてきた、今風にいえば企業城下町といったところですね?
そんなしごとを見守っていただくために、たたら場を守る神様を祀る神社がかならずありました。


金持神社(鳥取県日野町)

それがこの金持神社。
天之常立尊(あめのとこたちのみこと)を御祭神とする全国でも数少ない神社。国土経営、開運、国造りの神様をお祀りしています。
「かもちじんじゃ」と読みます、「かねもちじんじゃ」じゃありませんよ。
鉄のことを当時は かね(金)と呼んでいたのです。
10年ほど前から、このまちの資産をゆっくりじっくりしっかりと魅力に変えていった方々がいらっしゃいました。
神社札所(売店)には、とてもユニークなここでしか購入できない開運・金運祈願のお土産が多数並んでいて、
中国地方・関西地方を中心に開運・金運祈願に訪れるひとが絶えません。


金持神社札所(鳥取県日野町)

そのひとつが、これっ。


金持神社・名刺入れ

お会いする方々とその方の所属する団体・企業の繁栄をお祈りしながら、名刺交換をさせていただいております。
どなたも、この名刺入れを見てものすごくびっくりされますが(親愛なる同期から「金の亡者か?」という第一印象をもらいましたが・・・笑)わたしはこの大判小判を模したこの意匠がとても気に入っています。
金持神社(もう読めますね、かもちじんじゃです) 参拝者がついに年間30万人に迫ってきています。 まちの人口の100倍のひとたちが訪れる神社、現在、産業の乏しいこのまちがミライに続いていけるように思慮を重ねて動いていきたいと思っています。 温かいまちのひとに囲まれて このまちにしかない豊かな資産をかけがえのない魅力に磨いていく、その扉も開いてくださる大切な神社です。
時は金なり
読み手のみなさまの開運・金運も祈願させていただきながら、にっぽんトコトコ・第一回は 金持神社(かもちじんじゃ)@鳥取県日野郡日野町 でした。


鳥取県日野町

次回は、75の島 です

*10月21日14:07 鳥取県中部で大きな地震が発生いたしました 被災者のみなさまには心よりお見舞い申し上げます
*たたら製鉄の話は、別の機会に詳しくおつたえしたいと思います
*写真①②④:鳥取県日野町役場にご提供いただきました

日本トコトコッ
トコトコカウンター:ただいま60トコトコッ

*トコトコカウンター:今年4月より訪れた場所ののべ数

金持神社

住所:〒689-4512 鳥取県日野郡日野町金持1490(金持神社札所)
アクセス:JR伯備線根雨駅下車3.5km〜タクシーで約7分
URL:http://kanemochi-jinja.net/