地方は現在多くの社会課題を抱えており、九州でも多くの地域で人口減少と高齢化の影響が現れています。博報堂九州支社では、様々な調査を通じて九州の生活者の意識を把握し、これからの時代の「しあわせに繋がるアイデア」を九州のみなさんと共に発想することで、九州をさらに活性化していくための活動体「九州しあわせ共創ラボ」(略称:「Qラボ」)を発足いたしました。

★リリース:http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/32374

Qラボ発足の背景や今後の展望について、九州しあわせ共創ラボの松本裕介リーダーに話を聞きました。

九州の地場に根付いた広告会社として信頼してもらうために

―松本さんの経歴を教えてください

1986年入社以来、マーケティング職として自動車、飲料、食品、住宅、保険など多くのクライアントを担当してきました。10年ほど前から当時のエルダ―ビジネス推進室の業務にも参加し、エルダ―関連の調査、レポート執筆を行い、2011年春に現在の「新しい大人文化研究所」を、阪本節郎統括プロデューサーと共に立ち上げました。その後、2012年4月より九州支社に異動し、九州での生活は4年半となります。
現在は、九州ほぼ全域のクライアントを担当しています。九州各地に行って多くの人と出会い、様々な業務を経験していく中で、博報堂九州支社として地場に根付くために何をすべきか、地元の広告会社として信頼してもらうために何が必要かなどを、支社の仲間と共に常々考えていました。

―それが「Qラボ設立」につながったのでしょうか?

そうですね。具体的な形までは考えていなかったですが、我々は、九州の人からみるとあくまで東京の広告会社の支社で「よそ者」でしかない。昨年2015年博報堂の九州支社は、設立60周年というタイミングを迎え、本格的に九州という土地の仲間に入れてもらいたい、という想いがありました。そこで、地元のクライアント企業のためにということで、九州支社独自のソリューション・武器開発を行い、「中洲アイディア・マーケット」という展示会を行いました。そのほか、地元のベンチャー企業を支援するために、ベンチャーキャピタルと組んで、マーケティングセミナーを実施したり、等の活動も行ってきました。
しかし、活動を続ける中で、やはり博報堂の社員だけで考えていてもだめで、九州の地元の皆さんと一緒に考えていく、一緒に盛り上げていくことが必要だなと、実感したんです。

九州の人たちの「しあわせのカギ」をみつけて実現する

―「Qラボ」は九州の皆さんと一緒に、というのが肝ですよね。

九州の地元の皆さんと一緒に活動することは必須です。でも、それだけでは今までの広告会社の枠組みと変わらない。本当に地元に根付くためには、もうひとつ先にいかなければならない。九州の生活者の皆さんの気持ちや行動を調査から知る、というのはもちろん必要なのですが、そこで終わりにしたくなかった。我々の調査から、世界一住みやすい都市とされる東京と同等以上に、九州の人達は「しあわせ」を実感していることがわかりました。この九州の人たちの「しあわせ」という大きな価値を大切にしたいと考えたんです。九州の人達が感じる「しあわせ」の中身が何なのかを知った上で「しあわせのカギ」をみつけて、研究して終わりではなく、具体的な実現のために行動する活動体にしていきたいと思っています。

―Qラボの体制は?

博報堂九州支社の釘町支社長を筆頭に、マーケティング、クリエイティブ、メディア、営業担当など10名でスタートしました。発足発表後、博報堂プロダクツの九州支社とも一緒に活動していくことを決め、現在はプロダクツのメンバーも含め13名体制です。博報堂グループとして九州を盛り上げていきます。
また、もっともっと九州の媒体社、大学、ベンチャーなど、社外の方を巻きこんで活動していきたいと思っています。

―Qラボ発表後、何か反応はありましたか?

地元の新聞やTV番組で取り上げられました。クライアントさんからも「面白そうなこと始めたね」という声をいくつかいただきました。この「面白そう」、と感じてもらうことがとても大切なことだと思います。いろいろな人から「協力するよ」ともおっしゃっていただいていますし、地元の皆さんの期待を感じています。

―今後の活動、Qラボとしての目標は?

今後の具体的な活動として、調査レポートを発行していく予定です。第2号のレポートは、しあわせ意識を切り口に、九州の人達のクラスター分析をしています。順次Qラボのオフィシャルサイトでも公開していきますので、ご覧いただければ幸いです。そして、更に今後一歩進めて九州の皆さんとの共創ステージに入りたいと思っています。
九州の生活者の想いをどう具現化できるかを九州の皆さんと一緒に考える。そしてその考え、アイデアを、商品、サービス、メディア、広告、イベントなどいろいろと方法はあると思いますが、具体的な「カタチ」にしていきたいと思います。何かを生み出していく。みんなでうみだしていく、という実態をつくっていきたい。

宮崎発のメーカーさんが「九州パンケーキ」というオール九州の小麦・雑穀でつくったパンケーキミックスを数年前に販売して、全国的にかなり話題になっています。今までの九州のマーケティングは、例えば宮崎県産の「●●」、鹿児島県の「▲▲」など、地元県ごとの個性を出す、ということで行われてきたと思うのですが、「九州パンケーキ」は、九州を広域ブランドとして扱っている。これは新しい九州の見せ方・マーケティングになっているのではないか、と思います。今後、我々の活動も、県ごとの魅力を語るのみではなく、九州全体で九州を盛り上げていくことをお手伝いしたいと思っています。

九州の人たちは、「しあわせは自分でつくっていくもの」と意識しているのではないか、と思います。国や行政に頼るのではなく、しあわせは自分たちの足元からつくっていく、を体現している人たち。これから、我々Qラボもそんな九州の人たちのしあわせを一緒に考え、実現することに貢献していきたいと思っています。

<終>

九州しあわせ共創ラボ(Qラボ)
リーダー 松本 裕介(まつもと ゆうすけ)

1986年博報堂⼊社。マーケティングプランナーとして、数多くのクライアントのコミュニケーション、ブランド、事業、企業戦略業務に携わる。2012年より博報堂九州⽀社マーケティング部⻑。
2016年より「博報堂⽣活総合研究所」客員研究員。