株式会社博報堂クリエイティブ・ヴォックス クリエイティブディレクター

吉岡虎太郎

「愛」より「カネ」か?日本人。

さて、この度22年分の生活者データを見ることができるようになったという、この「生活定点」特設サイト。何かおもしろそうな質問はないかと探してみると、「信じるものは何ですか?」という質問があって、1994年、2004年、2014年のランキングを比べて見ることができます。

1位はずっと「人の善意」のままなのですが、注目すべきは「お金」の推移です。94年の4位から、04年に3位、14年には20年間2位の座を守っていた「愛」を抜いて2位へと10年ごとに躍進を遂げています。

ついに昨年から日本人は「愛」より「カネ」を信じる時代に突入したのですね。そう言われてみると、確かに周りにそんな人増えてきたような気がします。

それに関連して、「生活気流」というカテゴリーを開けてみると、「あなたが欲しいものは何ですか?(3つまで)」という質問があって、そこでも「お金」は60.5%で堂々のトップ。92年より9.6%も上昇して、過去最高値だそうです。2番目の「安定した暮らし」44.7%、3番目の「健康」44.4%と、16%あまりの差をつけてぶっちぎりです。

ちなみに「愛」と答えた人は5.4%なので、「愛」は信じられてもいなければ、欲しがられてもいないという悲惨な状況にあることが分かります。

さらに、「消費・お金」というカテゴリーを開けてみますと、「今後、何にお金をかけたいと思いますか?」という質問があって、1位は「貯金するお金」57.4%という結果が出ています。これも過去最高値だそうです。

つまり、日本人が信じていて、欲しがっている「お金」の使い道は、結局「貯金」なのですね…、驚きです。(別に驚くことでもないか)

日本人このままでいいのかと思いながら、「日本の行方」というカテゴリーを見てみますと、「今の日本人はどんな方向に向かっていると思いますか?」という質問があり、「現状のまま特に変化はない」という答えが53.9%でトップになっていました。

この数字もここ10年で最高らしいので、おそらく今後しばらくはこの状況に変化はないのでしょう、たぶん。

連載【私の生活定点】バックナンバー

  • 第1回「引っ越しをしたい30代は、焼肉・ぎょうざ好き?」

『生活定点』調査とは、1992 年から 22 年間にわたって隔年で実施している生活総研のオリジナル定点観測調査です。同じ地域(首都圏・阪神圏)、同じ対象者設定(20~69 歳の男女)に向けて、同じ質問を継続して投げ掛け、その回答の変化を時系列で観測しています。 項目数は約 1,500 項目に及び、衣、食、住、健康、遊び、学び、働き、家族、恋愛・結婚、交際、贈答、消費、情報、メディア接触、社会意識、国際化と日本、地球環境など、生 活者のありとあらゆる領域を網羅しています。2014年、最新調査結果の公開にあたって「生活定点」特設サイトを開設しました。http://seikatsusoken.jp/teiten2014/(時系列データのエクセルファイルもダウンロードできます。日本語版と英語版をご用意しています)「生活定点」特設サイトでは「似てるかもグラフ」「グラフの形から見る」「ランキング表」「面グラフ」など、ふだん、あまりデータを扱わない人にも、統計データを楽しんでいただける工夫をしています。ぜひ、ご活用ください。